元世界王者・下田昭文が現役引退表明 帝拳ジム異色のたたき上げ
ボクシングの元WBA世界スーパーバンタム級王者・下田昭文(32)=帝拳=が21日、自身の公式ブログを更新し、現役引退を表明した。
下田は「御報告があります!!!」のタイトルでブログを更新。「ボクシングを引退します!大晦日の試合終わってすぐに決めていました」と報告した。
2003年1月にデビューした下田は07年4月に山中大輔(白井・具志堅スポーツ)に判定勝ちして日本スーパーバンタム級王座を獲得した。10年3月には大橋弘政(HEIWA)に判定勝ちで東洋太平洋同級王座も獲得。そして11年1月に有明コロシアムでの世界初挑戦で、李冽理(横浜光)をダウン応酬の末に3-0の判定で破り、WBA世界世界同級王座を奪取。初防衛戦は果敢に敵地に乗り込み、同年7月に米国アトランティックシティーのボードウォークホールでリコ・ラモス(米国)と対戦したが、7回KO負けで王座陥落した。
その後も王座返り咲きを狙い、現役を続けたが、世界再挑戦のチャンスをつかむことはできなかった。ラストファイトは昨年大みそかの岐阜メモリアルセンターでの日本フェザー級王者・林翔太(畑中)戦。前半を優位に進めたが、9回にダウンを奪われ、0-3の判定で敗れた。アマチュアエリートが多い帝拳ジムの中で、アマ経験のないまま入門した異色のたたき上げ。「今でも覚えてて15の中学卒業前、2月21日に帝拳近いしなんとなくで入門しました。半端だった自分が初めてどんなにキツくても怖くても逃げ出さずにやり切りました」。スピードとキレを生かしたサウスポースタイルで、鮮烈な印象を残した。ジム入門から17年、人生を変えた2月21日にグローブを吊すことを明らかにした。
今後については「次の人生も又違う場所で戦って、ちゃんとした背中を見せて行きたいと思ってます!応援してもらった皆さんのお陰で頑張れました、ありがとうございました!!!」とファンへの感謝を記した。獲得したWBA、東洋太平洋の2本のベルトを掲げた笑顔の写真でブログを締めた。通算戦績は39戦31勝(14KO)6敗2分け。