ボクシングＷＢＯ世界ミニマム級王者の高山勝成（３３）＝仲里＝が２８日、名古屋市守山区の私立菊華高校を卒業し、「先生方やクラスのみんなに支えてもらった。３年間がすごく早く感じた。世界チャンピオンとして卒業できたことが何よりもうれしい」と喜びを語った。卒業生２８０人の一員として晴れの日を迎えた３３歳の卒業生には学校栄誉賞も贈られた。

　１４年４月に３０歳で同校普通科スポーツアクトコースに入学。平日は野球部の寮に泊まり込み、週末は活動拠点の大阪に戻るという二重生活を３年間続けた。卒業試験では「一番苦手だった」という数学で赤点を取り、２度の再試験を経て卒業にたどり着いたことも明かした。高校時代の思い出として高校１年時にクラスメートの喧嘩を２度仲裁したことや、２年時には朝の掃除をサボって放課後に一人で教室のぞうきん掛けをしたことなどを挙げた。

　４月から同校の姉妹校でもある名古屋産業大（愛知県尾張旭市）に進学予定で「教職に就きたい気持ちが芽生えた」と保健体育か社会の教員免許取得を目指す。

　高山は日本人として初めて世界ボクシング評議会（ＷＢＣ）、世界ボクシング協会（ＷＢＡ）、国際ボクシング連盟（ＩＢＦ）、世界ボクシング機構（ＷＢＯ）の主要４団体で世界王者に輝いた。

　２６日には福原辰弥（２７）＝本田フィットネス＝がＷＢＯ世界ミニマム級暫定王者に就いた。高山は福原について「日頃のトレーニングの賜物として、試合をものにした。おめでとうと伝えたい」と祝福。左まぶたの負傷で休養中の高山とは１８０日以内の統一戦が義務付けられているが、「実戦的なトレーニングもしていない。まだ腫れもあるので様子を見ながらやっていく」と話した。