「ボクシング・ＷＢＣ世界バンタム級タイトルマッチ」（２日、両国国技館）

　日本単独２位の世界戦１２連続防衛記録がかかる山中慎介（３４）＝帝拳＝が１日、挑戦者のカルロス・カールソン（２６）＝メキシコ＝の陽気な言動に「イラッと来ることがある」と本音を口にした。ただでさえ高い闘争心がさらに高まり、改めてＫＯ決着を宣言した。この日は前日計量が行われ、両選手とも１回でクリアした。

　計量を１００グラムアンダーの５３・４キロでクリアした山中は「心から試合が楽しみ。いい状態に仕上がった」と満足そうだった。ミネラルウオーターとみかんジュースをおいしそうに飲み干し「染み渡る」と一言。さらにスッポンスープを味わうと「一層元気になりました」と充実感をみなぎらせた。

　その表情が、一瞬とがった。ニットのスキー帽をかぶって現れたカールソンについて聞かれた時だった。計量後は缶コーラを飲み、菓子をパクついたとも聞いて「メキシカン特有の陽気さなんでしょうけど、時々イラッとすることがある。試合できっちり決着をつけたい」と珍しく感情的な言葉を使った。

　「年に２回の晴れ舞台。このためにやってきたことをきっちりと証明したい」と臨む山中の目には、挑戦者が緊張感を欠くと映っているようで「いちいちなってない。いずれ、あの時ああしておけば良かったと反省するんでしょう」とバッサリ斬り捨てた。

　具志堅用高（協栄）の持つ世界戦１３連続防衛の日本記録に王手をかける一戦に「記録は気にしないが、結果にはすごくこだわりがある。普通にではなく、インパクトのある勝ち方を目指したい。お客さんに喜んでもらえるＫＯをしたい」と圧勝予告。「なってない」メキシカンへの制裁宣言でもあった。