人妻女子大生チャンピオン好川菜々が4・29初防衛戦
WBO女子世界フライ級王者の好川菜々(38)=堺東ミツキ=が3日、堺市内の所属ジムで会見し、4月29日に堺市・国際交流センター(ビッグアイ)イベントホールで同級1位のモンセラット・アラルコン(24)=メキシコ=と初防衛戦を行うと発表した。戦績は好川が8戦7勝(4KO)1敗、アラルコンが14戦9勝3敗2分け。
好川は昨年10月9日、2度目の世界挑戦で当時8戦8勝と無敗を誇っていた李恩惠(韓国)を2-0の判定で破り、悲願の世界王座を獲得した。激しい打ち合いを演じたため、試合翌日は携帯電話の画面をスクロールするだけで目が回り、気分が悪くなるほどダメージが残ったという。
初の防衛戦に向けて好川は「相手が決まって一段と集中して練習していきたい。世界チャンピオンとして初めての試合。自分が世界チャンピオンだという気持ちは日に日に高まっているが、試合に関しては『チャンピオンらしい試合をする』というかっこいい言葉は言えない。常に挑戦者の気持ちで臨んでいきたい。1カ月あるので気持ちと体を合わせていきたい」と決意をにじませた。
相手のアラルコンは右ボクサーファイターで、15年2月にメキシコ合宿を行った際に面識があるという。好川の夫で元WBOアジア太平洋スーパーフライ級王者の野上真司トレーナー(41)によると「相手の打ち終わりにきっちりカウンターを取ったり“ボクシングのできる選手”」。スペイン語でダッシュやラッシュを意味する“ラヤ”のニックネームを持ち「爆発力を持つ非常に手ごわい相手」と警戒する。
ただ、ミニマム級から階級を上げてきただけに身長は低く、「距離を取ってスピーディーな動きができれば、うまくかみ合ってくれる」と対策を思い描く。
好川と野上氏は日本初のチャンピオン夫婦でもある。好川が「世界チャンピオンになって応援してくれる人も増えた。2人とも肩の荷が下りて少しだけ夫婦喧嘩も減りました」と笑みを浮かべると、野上氏は「世界タイトルを取るまでは精神的な疲労の連続で、ボクシングをしているのか人生の苦しさと戦っているのか分からないような状況だった。山を越えたことで精神的に安定し、人生にも張りが出ている」と充実感を口にした。
2人は4月から近大通信教育学部短期大学部に入学。“人妻女子大生チャンピオン”となった好川が夫婦の絆でベルトを死守する。