“ポスト長谷川”久保隼が世界王座奪取、ダウン喫すも相手が棄権、11回TKO

山下会長に肩車されガッツポーズする久保隼=エディオンアリーナ大阪(撮影・神子素慎一)
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 「ボクシング・WBA世界スーパーバンタム級タイトルマッチ」(9日、エディオンアリーナ大阪)

 同級8位の久保隼(27)=真正=が11回5秒TKOで王者のネオマール・セルメニョ(37)=ベネズエラ=を破り、世界初挑戦で王座を奪取した。7回にセルメニョの左右フックを浴びてダウンを喫したが、11回開始時、王者が唐突に試合を棄権し、久保の勝利が決まった。

 同じサウスポーのボクサータイプということで、真正ジムの先輩である元世界3階級王者・長谷川穂積氏の後継者として期待される久保。プロ12戦目でつかんだ世界初挑戦。長谷川氏が入場曲に使っていたエンヤ「Once You Had Gold」でリングインした。

 初回、久保は左ストレートを上下に打ち分け、好スタートを切った。2回に入ると経験豊富な王者は距離を詰めて右フックを狙う。4回には久保の左ストレートでセルメニョが右目下をカットした。

 久保のペースで進みつつあった7回後半、王者が反撃。右フックを2発打ち込みダメージを与えると、左から右フックをつなげてダウンを奪った。このピンチを凌いだ久保は8回以降立て直す。

 そして11回開始のゴングにセルメニョが応じない。スツールに座り込んだまま右グローブを外し始め、レフェリーが試合終了を宣告した。11回5秒TKOで久保の新王者が決まった。セルメニョは棄権理由に「体力の限界」を挙げた。

 久保の通算戦績は12戦12勝(9KO)。3度目の防衛に失敗したセルメニョは34戦26勝(15KO)6敗1無効試合。

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