大石豊が東洋太平洋初防衛戦 世界への足掛かりにする

 「ボクシング・東洋太平洋スーパーウェルター級タイトルマッチ」(22日、エディオンアリーナ大阪)

 東洋太平洋スーパーウェルター級王者の大石豊(32)=井岡弘樹=が12日、大阪市内で会見し、同級9位ラーチャシー・シットサイトーン(31)=タイ=との初防衛戦に向けて「いい感じで仕上がっている。KOで倒したい」と意気込みを語った。戦績は大石が19戦14勝(8KO)5敗、ラーチャシーが10戦7勝(5KO)3敗。

 昨年11月、細川貴之(31)=六島=に11回負傷判定勝利を収め、タイトル初挑戦で王座奪取に成功した。再戦の話も持ち上がっていたが、細川は右目の負傷もあって9日の試合を最後に現役を引退。「もう1回試合をして白黒つけたかったので残念。実力があり、やりづらい選手だった」としんみり話した。

 大阪市浪速区出身。10代で道を踏み外し、鑑別所に6度、少年院に2度入り、成人式も少年院で迎えた。「けんかが強くなりたい」と23歳でボクシングを始め、5カ月でプロテストに合格。11年西日本ミドル級新人王にも輝いた。破天荒な人生を歩んできたが、今や2女の父となった。金髪の強面(こわもて)だが、人懐っこい笑顔が印象的。“回り道”で出会ったボクシングが人生を変えてくれた。

 国際ボクシング連盟(IBF)ランキングでも5位に入っており、世界挑戦への期待も高まる。「このまま行けば指名もあるかもしれない。いつでも準備はしている。でもメンタルが弱いし、自分のレベルを上げていかないと世界では通用しない」とさらなる成長を誓った大石。王座を死守し、世界への足掛かりとする。

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