史上初、元競輪A級の押切勇二がプロレス転向 年内デビューへ

 競輪の元A級レーサーで、優勝経験ももつ押切勇二(29)がプロレスラーに転向し、年内デビューを目指すことになった。聴覚障害者プロレス団体HEROを運営するGPSプロモーションが18日、都内で会見を開き、押切が4月27日付で、同プロに入団したことを発表した。

 押切は87年10月16日生まれ、山形県庄内町出身。身長167センチ、体重82キロ。同県の羽黒高校時代はウエイトリフティングに励み東北大会を制覇。インターハイ、国体では3位入賞の成績を収め、日本大学でも同競技で活躍した。

 同大卒業後は競輪学校に入学し、11年7月に西武園でデビュー。同8月の函館で初勝利を飾り、13年8月の松戸で初優勝、15年3月の千葉では2度目の優勝を果たし、将来を嘱望された。しかし、昨年は鎖骨、肋骨、頸椎の故障に苦しんで不振にあえぎ、今年1月12日付で競技から引退した。年間獲得賞金は最高で約1500万円。

 もともと、プロレスラーになることを夢見て、ウエイトリフティングを始めたという押切だが、競輪界を去って、プロレスへの思いが再びふつふつと沸いてきたという。押切は「小さいながら、おもしろい団体だと思った。豊島(修二)会長や佐藤(剛由)社長も信頼できる人だと思ったので、この団体に決めました」とコメント。あこがれていた選手として、新日本プロレスの獣神サンダーライガーの名を挙げた。

 デビューの時期について、同プロの豊島会長は「プロスポーツ選手だったので、体はできていますが、焦ることはないと考えています。コーチと、しっかり見定めて決めていきたい。早ければ、9月16日に高島平区民ホールで予定している『HERO』の大会となりますが、年内にはデビューさせたい。彼にはあきらめない心を示してほしい」と話した。

 史上初となる競輪レーサーからプロレスへの転身となる押切。競輪引退の原因となったケガは、すでに完治しており、プロレス活動に支障はない。どんな選手に育つのか、デビューが待たれるところだ。

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