比嘉の相手が王座剥奪、体重オーバーで再計量放棄 具志堅会長は不快感
「ボクシング・WBC世界フライ級タイトルマッチ」(20日、有明コロシアム)
前日計量が19日、都内のホテルで行われた。同級1位の比嘉大吾(白井・具志堅スポーツ)はリミットの50・8キロでパスしたが、王者ファン・エルナンデス(メキシコ)は最初の計量で51キロと200グラムオーバー。2時間以内にパスすればクリアとなるルールにもかかわらず、王者は体重を落とすことを諦め、王座剥奪が発表された。試合は当日計量で問題がないと判断されれば開催され、比嘉が勝てば新王者誕生となる。
会場がわずかにどよめいた。王者が体重計に乗ると51キロとアナウンスされ、何度でも計量が可能で2時間以内に体重を落とせばパスとなる条件で、再びの減量を試みることになった。比嘉はリミットいっぱいでクリアし、安どの笑みを見せていた。
その数十分後、関係者が指で小さな「×」印をつくって計量会場に姿を見せた。エルナンデスが減量を諦めたという情報が入り再びざわめきが起こる。本人が再びはかりに乗ったが、服をすべて脱ごうとはせず、さらに、最初の計量を上回る数字が出た。「水を飲んだ」と話す関係者もおり、何らかのものを口にしたと考えられる。結局、王者が計量を放棄したことと、この時点で“はかりの上で王座を失った”ことがアナウンスされた。
白井・具志堅スポーツの具志堅会長は「国内の世界戦でこういうのはダメだよ!しっかり落としてこないと!」と苦言を呈した。日本での世界戦では4月23日のWBO世界バンタム級タイトルマッチで、王者のマーロン・タパレスが挑戦者・大森将平との試合で900グラムオーバーにより試合前に王座を剥奪されるという事態が起きた。試合は開催され、大森が勝てば新王者誕生となるルールだったが、結果はTKO負け。王座は空位となった。