具志堅会長、減量できない王者に怒り「落としてこないと」国内では4月にも
「ボクシング・WBC世界フライ級タイトルマッチ」(20日、有明コロシアム)
前日計量が19日、都内のホテルで行われ、同級1位の比嘉大吾(白井・具志堅スポーツ)が対戦する王者ファン・エルナンデス(メキシコ)が計量をパスできず王座が剥奪された。所属ジムの具志堅用高会長は「世界戦でああいうのはダメだよ!」と声を荒らげ、不快感を示した。
比嘉はリミットの50・8キロで一発パス。一方のエルナンデスは51キロと200グラムのオーバーとなり、2時間以内にリミットまで体重を落とすことが求められた。しかし、数十分後に再びはかりに乗ると体重は逆に増えており、結局、計量を放棄。この時点で王座剥奪が決まった。「水を飲んだ」と話す関係者もおり、王者の心は折れていた。
正式に王座剥奪が決まる前から、具志堅会長は「チャンピオンはちゃんと落としてこないとダメ!」と苦言を呈した。日本では4月23日のWBO世界バンタム級タイトルマッチで、王者のマーロン・タパレスが挑戦者・大森将平との試合で900グラムオーバーにより試合前に王座を剥奪されるという事態が起きた。試合は開催され、大森が勝てば新王者誕生となるルールだったが、結果はTKO負け。王座は空位となった。
具志堅会長は危険性の面も指摘する。減量を十分せず体を戻した選手と、落とし切って試合をした選手では、コンディションが異なり不公平さが残る。戦術の変更も余儀なくされるため、「明日控室で本人に言います」と対策を練ることになった。
減量を諦めた王者の姿を見て、「スーパーフライ(52・16キロがリミット)ぐらいあったんじゃないか」とやり切れない思いをにじませた。当日の計量で問題がないと判断されれば20日の試合は開催されるが、比嘉が新王者になるためには体重を落とし切らなかった相手に勝たなければならない。具志堅会長は「1ラウンドからぶっとばしていきますよ。早い回の決着もありますよ」と、話していた。