比嘉が6回TKOで世界奪取 具志堅会長悲願達成!ついに世界王者誕生
「ボクシング・WBC世界フライ級タイトルマッチ」(20日、有明コロシアム)
同級1位・比嘉大吾(21)=白井・具志堅スポーツ=が6度のダウンを奪い、6回2分58秒TKOで、計量失格で前王者となったファン・エルナンデス(30)=メキシコ=を破り、世界初挑戦で王座を獲得した。1995年にジムを設立した元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高会長(61)は、5度目の世界挑戦で悲願の世界王者を誕生させた。
19日に都内のホテルで行われた公式計量でエルナンデスがリミットの50・8キロを200グラムオーバーして失格。戦わずして王座を剥奪された。両陣営の合意で試合当日の16時に非公式の再計量を行い、エルナンデスは制限体重から10ポンド(約4・5キロ)以内に抑えることが確認された。比嘉が勝った場合のみ新王者誕生、負けるか引き分けの場合は王座が空位になる変則タイトルマッチとして試合は決行された。
調整ミスをしたとは思えないほど鋭いステップにスイッチ、多彩なパンチを飛ばしていたエルナンデスに対し、比嘉は2回に左フックを合わせてダウンを奪う。しかしエルナンデスもこれ以外の失点は少なく4回終了時の公開採点は38-37で2人がエルナンデス、1人が38-37で比嘉だった。
しかし5回、比嘉が踏み込みの効いた左フックでダウンを追加。6回には右アッパーカットと連打で4度倒し、試合を決めた。
新王者は「最高ですね。試合前怖くて会長、トレーナー全員に支えられた」と周囲への感謝を示した。ジム設立22年目で悲願を達成させた具志堅会長は「選手を比嘉大吾を褒めてください。本当に心配でしたよ。だけど私は信頼していたから、大吾のことを。本当に素晴らしい試合をしてくれました」と愛弟子を称えた。
沖縄出身では、1992年4月にWBA世界スーパーライト級王座を獲得した平仲明信氏以来、25年ぶり7人目の世界王者誕生となった。全勝ですべてがKO勝ちというパーフェクトレコードでの世界奪取は日本史上初。
比嘉の通算戦績は13戦13勝(13KO)。エルナンデスは40戦36勝(26KO)4敗。