村田、非情判定に泣く…ダウン奪うも手数で負けた 「時間ほしい」進退にも含み

 「ボクシング・WBA世界ミドル級王座決定戦」(20日、有明コロシアム)

 WBA世界ミドル級王座決定戦で、ロンドン五輪金メダリストで世界初挑戦の村田諒太(31)=帝拳=は、同級1位のアッサン・エンダム(フランス)に1-2の判定で敗れた。日本の五輪メダリストとしてプロ初の世界王者になれず、95年の竹原慎二以来となる22年 ぶり2人目のミドル級王座には就けなかった。

 判定が発表された瞬間、場内が驚き、疑問、不満の声に包まれた。だれもが村田の勝利を信じていた。だが現実は不可解な1-2の判定負け。五輪金メダリストとして初、日本人として22年ぶりの世界ミドル級王座獲得は幻に終わった。

 「結果は結果なので僕自身どう受け止めるかではない。ジャッジはプロだし、第三者が判断すること」と冷静に受け止めた。

 作戦通りだった。3回から右を上下にヒットさせ、4回には見事なカウンターでダウンを奪った。5回には右ショートをヒットさせロープ上に尻もちをつかせた。7回にも右ストレートでロープにはじき飛ばすなど、ダウン寸前の場面が何度もあっただけに「もう1、2回ダウンを取っていれば」と悔しさをにじませた。

 エンダムの手数は堅いガードで阻んだはずが、ポイントは取られていた。有効打より手数、フットワークに重きを置くWBA独特の採点法が村田に災いした。ガードを固め、プレスをかけ、あれほど右を打ち込みながらジャッジに支持されなかった。村田が勝つにはKO以外なかったのか。

 村田は「ジャブはダメージングポイントではないけど取られたかな。相手は足を使うのがうまかった」と振り返った。

 ロンドン五輪金メダリストとして鳴り物入りでプロ入りした。計り知れぬ期待を受け止め「五輪の金メダリストは世界タイトルを取るのが義務だと思っている」と口にしたのは14年5月、4戦目の後だった。

 それだけに、この敗戦は重たい。「これだけ多くの人に支えられて、集大成として見せたかったことができなかった。またやります、と無責任には言えない。気持ちの整理をする時間がほしい」と、進退にも含みをもたせた。

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