山中V13戦発表 具志堅氏ビデオからのエールに「目の前で報告したい」
「WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(8月15日、島津アリーナ京都)
具志堅用高の持つ世界戦13連続防衛記録に挑む山中慎介(帝拳)の防衛戦が7日、都内で正式に発表された。挑戦者は同級1のルイス・ネリ(メキシコ)。23勝(17KO)無敗、22歳の左ボクサーファイターだ。
山中は「勝てば日本記録に並ぶ試合で、過去の防衛戦の中でも一番強いと思う相手。最高の舞台を用意していただき気合が入る」と正式発表を受け止めた。
浜田剛史帝拳代表は「13回というのは夢の中の記録。具志堅さんの記録に並ぶ試合なので、失礼のない相手じゃなきゃいけない。世界中を探して一番の相手」とした。「メキシコ人ですが、どちらかというとアメリカに近いボクシング。ガードが低く、ストレートはもちろんフック、アッパーも強い」と特徴を挙げた。
会見では元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高氏からのビデオメッセージも披露された。「記録は意識した方がいいと思う。『オレは具志堅の日本記録を塗り替える』という気持ちで。マスコミにも言わないと。そうしたら、強い精神力もついてくるんじゃないか。戦いの内容も大事だけど、記録。自分の記録を塗り替えてほしい」と熱く背中を押された。
山中は「本心から言ってくださっているのは伝わります。チャンピオンになってから防衛回数は気にせず、途中は統一戦をしたいと思ったこともある。ネリを倒して『並びました』と目の前で報告したいですね」と感謝した。
「記録は意識していない」と言い続けてきたが、最近は「ファンが喜んでくれるのなら」と言葉を選ぶようになった。「ボクシングを始めたときは世界チャンピオンになるのが目標だったから想像以上のところまできた。自分でも誇りに思う」と大一番に臨む。
この日、会見を終えるとジムワークで汗を流した。大和心トレーナーがグローブとミットが一体となったネリ対策の新兵器を付け、目慣らしとマスボクシングを複合させた新メニューもこなした。山中は「いいパンチをもらわないのがカギになる。足を止めず、止めてもすぐ動く。でないとあの連打に巻き込まれる。当てる自信はある」と、早くも勝利のイメージを描いている。