木村翔が大番狂わせの世界奪取!“中国の英雄”鄒市明に敵地で11回TKO勝ち
「ボクシング・WBO世界フライ級タイトルマッチ」(28日、上海)
WBO世界フライ級タイトルマッチが28日、中国・上海の上海オリエンタルスポーツセンターで開催され、世界初挑戦の同級6位・木村翔(28)=青木=が、11回2分28秒TKOで王者・鄒市明(36)=中国=を破り、王座を奪取した。
上海で大番狂わせの王座奪取を演じた。敵地に乗り込み、ライトフライ級で2008年北京、12年ロンドン五輪連覇の“中国の英雄”鄒に挑んだ木村。初回、前に出てボディーを狙う上々のスタートを切るが、ラウンドが進むごとにスイッチを交えながら変幻自在の動きで変則的なパンチを飛ばしてくる鄒のペースにはまる。3回には右目上から出血した。
ポイントでは不利の中、11回に木村が勝負をかける。右ストレートで鄒をロープに追い込み、猛ラッシュを仕掛けると、王者は力なく膝をつくように倒れた。何とか立ち上がった鄒だったが、レフェリーは試合続行を許さなかった。
木村は昨年11月に大阪で、当時日本ボクシングコミッションが未公認だったWBOアジア・パシフィック同級王座を坂本真宏(六島)と決定戦で争い、2-0で王座を獲得。これによりWBOで世界ランク入りしたことで、今回のチャンスが舞い込んだ。圧倒的不利の予想の中、勇敢なファイトで逆転KOにつなげた。通算戦績は18戦15勝(8KO)1敗2分け。
鄒は五輪連覇後の13年にプロ転向。15年3月、7戦目での世界初挑戦はIBF世界フライ級王者アムナト・ルエンロン(タイ)に判定負けしたが、昨年11月、米国・ラスベガスで空位のWBO世界同級王座をクワンピチット・ワンソンチャイジム(タイ)と争い、大差判定勝ちでプロでの世界王座も獲得した。初防衛に失敗し、戦績は11戦9勝(2KO)2敗となった。