【長谷川穂積の拳心論】山中のキャリアかネリの若さか…
「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(15日、島津アリーナ京都)
前日計量が14日、京都市内のホテルで行われ、具志堅用高が持つ世界王座13連続防衛の日本記録に挑む王者・山中慎介(34)、挑戦者ルイス・ネリ(22)ともにリミットの53・5キロで一発パスした。
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【長谷川穂積の拳心論】
13度目の防衛戦に挑む気持ちは具志堅さんと山中選手にしかわからず、僕にも想像ができない。でも、本人には初防衛も13度目も同じではないだろうか。13度目だから特別な重圧を感じるようなそんなレベルで戦ってきた選手ではないからだ。
打ち合い必至のすごい試合になるだろう。現地でネリの練習を見てきたが、好戦的で手数が出る。オリジナルのコンビネーションもあり、大振り気味に出るサイドからのパンチやアッパーは、特に後半スピードが落ちてきた時に注意が必要だ。
ただ、ミット打ちを見た感じでは拳の硬さは感じない。相手を誘って打つタイプではなく、自分のリズムで決まったところに打つ。スピードも特にない。相手が4発打つ間に、山中選手が強い左を一発当てられると思う。
山中選手が苦戦するとすれば相手の若さ、怖いもの知らずの勢いだろう。僕がウィラポンから王座を奪った時は相手が50戦、僕が20戦ほどの戦績で、僕が勝てたのはまさにそのパターンだった。キャリア豊富な山中選手が相手のリズムに巻き込まれなければ、勝てる可能性は高い。