帝拳・本田会長怒り心頭「最悪のストップ」タオル投入の判断に
「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(15日、島津アリーナ京都)
国内最多タイの13度目の防衛を目指した王者の山中慎介(34)=帝拳=は、4回2分29秒TKOで同級1位のルイス・ネリ(22)=メキシコ=に敗れ、5年9カ月に渡って守り続けた王座から陥落した。元WBA世界ライトフライ級王者・具志堅用高氏(62)の持つ13連続防衛には届かなかった。
山中の王座陥落に、帝拳ジムの本田明彦会長は「最悪のストップ」と試合後、怒りを抑えきれなかった。怒りの矛先は、棄権を示した陣営のタオル投入のタイミングに向けられた。4回中盤、ネリの左右フックでダメージを負った山中は懸命に左ストレートを打ち返すも、嵐のような挑戦者の連打を断ち切れず、ロープを背負って防戦一方となった。2分24秒、ダメージを心配した大和心トレーナー(元日本同級、東洋太平洋スーパーバンタム級王者)がタオルを投げ、レフェリーが試合を止めた。「(通常タオルを投げる時は)相談がある。こんなことは初めて」と本田会長。「あいつはいいヤツで優しいから。魔が差したかな」と、二人三脚で山中とV12ロードを歩んできた大和トレーナーについて語った。
過去、山中はダウンを喫しながらも逆転KOで仕留めた防衛戦が複数回ある。「展開は予想通り。2、3回倒れても結果KOで勝つという。コンディションは最高だった」。具志堅氏の大記録には届かなかった。勝利を信じていたからこそ、本田会長は心底残念がった。