【カンムリワシの目】具志堅氏が山中たたえる「衰えることのないNo.1ストレート」
「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(15日、島津アリーナ京都)
世界王座13連続防衛の日本記録を保持する元WBA世界ライトフライ級王者の具志堅用高氏(62)=デイリースポーツ評論家=が、37年ぶりの日本タイ記録を目指した山中慎介(34)=帝拳=をねぎらった。防衛を重ねていくことの難しさを説くとともに、日本歴代2位の12連続防衛を果たしてきた功績に賛辞の言葉を贈った。
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【カンムリワシの目】
ぜひ勝って欲しかったね。山中君は最高のコンディションでリングに上がっていた。控室では「しっかり見て下さい」と言ってきた。2回終了前にパンチも入っていた。普通ならダウンさせてるよ。
ネリは強いね。打ってくる力強さがあった。山中君も左ストレートを合わせづらかったんじゃないかな。最後は相手の勢いがあったし、クリンチにいく余裕がなかったんじゃないかな。タオルの投入はセコンド陣の判断ですから。
山中君は京都で散ったけど僕も沖縄で終わりました(81年3月、ペドロ・フローレス戦)。負けた時はどん底に落とされた気持ちだったね。12回防衛するのは大変な積み重ね。回復力の問題などは本人しか分からないよ。
でも、山中君の左ストレートはNo.1。衰えることはないです。後はもう一度、下からはい上がる精神力。彼は強い人間だから、できないことはないと思います。今後の判断は本人次第。今はゆっくり休んで欲しいね。(元WBA世界ライトフライ級王者=デイリースポーツ評論家)