山中、ネリと再戦以外は引退 帝拳・本田会長、他の選択肢は「意義ない」
15日のWBC世界バンタム級タイトルマッチで山中慎介(34)=帝拳=を破ったルイス・ネリ(22)=メキシコ=から禁止薬物の陽性反応が出た問題で、帝拳ジムの本田明彦会長(69)は25日、米カリフォルニア州カーソンで取材に応じ、「山中が再起するなら、ネリ以外とやる意義はない」と再戦以外に現役続行の選択肢はないとの意向を示した。
禁止薬物を使用した選手がタイトルを奪った場合、無効試合になりタイトルが返還される例があるが、「五輪の繰り上げで金メダルとはわけが違う。王座を返します、で納得できるもんじゃない」と山中の心中を代弁。王座剥奪の場合、返還も、別の選手との王座決定戦も拒否。ネリへの借りを返すことを最優先にするという。
山中は進退について決断を下していないが、本田会長は「複雑だろう。実は引退の方向に傾いていたが、これがどう影響するか」と、おもんぱかった。今回帝拳ジムは試合契約時に第三者による抜き打ちのドーピング検査を要求。その検査で陽性反応が出た。思いも寄らない展開にさらされている名王者・山中は、どんな結論を下すだろうか。