リゴンドーをダウンさせた男 天笠が引退を表明
「ボクシング・WBOアジアパシフィック・フェザー級王座決定戦」(29日、後楽園ホール)
元日本、東洋太平洋同級王者で、同級4位の天笠尚(FLARE山上)が、同級5位のリチャード・プミクピック(フィリピン)に0-3の判定負けし、試合後に引退を表明した。
1回からプミクピックの突進と大振りのペースに飲み込まれ、スピード、パワー、手数のすべてに圧倒された。「パワーがすごくて攻撃の糸口がつかめなかった。単純に相手が強くて僕が弱かった」と振り返った。
このタイトルを獲得すれば、世界ランキング入りし、世界再挑戦の道が見えてくる。天笠は「この試合をボクシング人生の分岐点にしようと思っていた。今のフェザー級はなかなか(世界挑戦の)チャンスがない。いつまで待つのか、心と体の維持がブレはじめていた。チャンスをつくってもらって、進退に大きな意味を持つ試合と思っていた」と心境を明かした。
その上で「序盤からペースを取れなくて巻き返せず、最後も行けなかったのは気持ちの問題。試合中に怖さも感じたし、それじゃダメだと思った」と決断した。
14年の大みそか、WBA世界スーパーバンタム級王者のギジェルモ・リゴンドー(キューバ)に挑戦し、11回終了TKO負けしたものの、2度のダウンを奪って全国に名を売った。その後、再度の世界挑戦が期待されたが夢はかなわなかった。