シングルマザー・吉田実代が高野人母美を破り、初代女王!
「ボクシング・日本女子バンタム級王座決定戦」(6日、後楽園ホール)
今年から日本ボクシングコミッション(JBC)公認で新設された日本女子王座。同級2位の吉田実代(EBISU K’s BOX)が、同級1位の高野人母美(協栄)を3-0の判定(58-57×3)で下し、初代女王となった。
吉田は1回から突進した。高野の懐に飛び込み、密着して攻撃。16センチの身長差、リーチも長い高野攻略の作戦だった。高野のクリンチにも小刻みなパンチを浴びせて、優勢に立った。
シングルマザーとして、2歳になる実衣菜(みいな)ちゃんと暮らしている。スポーツインストラクターの合間を縫って練習する。昼は保育園、夜はジムに連れていくと、ジムメートが面倒を見てくれるという。「本当に感謝しています」と笑った。
日本ボクシング史に名を残す初代女王となり「ボクサーとしても、私生活でもキチンとしていかなければと思います。かっこいいと言われるようなチャンピオンになりたい」と話した。今後は「東洋太平洋や世界へ、もっと上を目指したい」と力を込めた。
敗れた高野はサバサバした表情だった。「想定していた以上に前に来た。近づかれてアッパーを打とうとしても目の前に頭があった。もっとジャブを出せばよかった」と振り返った。
ブラザー・コーンが生で歌う「WON’T BE LONG」の先導で、客席からリングに登場、ガウンは元の所属で、ボクシングを始めるきっかけとなった天笠尚のものだった。「引退した天笠選手の分背負って闘いました。次につなげていきたい」と、現役続行を宣言した。
東洋太平洋女子スーパーフライ級王者時代の15年11月にWBO女子世界同級王座に挑戦したが4回KO負け。その後、同王座を返上し、1階級下のバンタム級に転級した。日本女子王座戦は同級初戦でもあった。
日本女子タイトルマッチは、アトム、ミニフライ、フライ、バンタム、フェザーの5階級で、2分6ラウンドで行われる。
トーナメントで行われている王座決定戦は今後、11月20日にミニフライ級決勝戦、矢吹純(協栄)-小村楓香(グリーンツダ)、12月17日にはフェザー級の決勝戦、神成麻美(カシミ)-藤原芽子(真正)、フライ級決勝戦、佐藤絢香(YuKO)-池本夢実(琉球)、が行われる予定。アトム級は未定。