大仁田、台風に負けず 沖縄で最初で最後の電流爆破決行
「プロレス・A-TEAM」(21日、沖縄・豊崎美らSUNビーチ特設リング)
引退試合(31日、東京・後楽園ホール)を10日後に控えた大仁田厚が台風のなか、沖縄の地で最初で最後の電流爆破デスマッチを決行した。
A-TEAMが「AKB48応援特別試合 オレたちは台風に負けない! デンジャラスナイトin沖縄」と題した興行を開催。同所では、6月17日に「AKB48総選挙」の開票イベントが行われる予定だったが、悪天候のため、別会場に変更された、いわくつきの場所だ。
大会タイトルは大仁田が決めたが、皮肉なことに、台風21号が沖縄本島に接近。同日午後4時半頃から雨風が強くなり、大会の開催自体が微妙な雲行きとなった。そこで、同団体はメインイベントに予定されていた電流爆破デスマッチを第3試合に組み替えて強行。会場管理事務所からは、豪雨と強風のため、第3試合終了後の興行中止を勧告された。
そんななか、沖縄県下で初の電流爆破戦がスタート。大仁田、保坂秀樹、千葉智紹の邪道軍が、HASEGAWA、雷神矢口、櫻井匠のA-TEAM軍と激突。会場のすぐ横が海水浴場とあって、6人入り乱れで、ビーチでの“場外乱闘”に発展する一幕も。
最初に爆破バットを手にしたのは矢口で、コーナーにいた大仁田めがけて叩き込むも、大仁田が寸前でかわして自爆。ならばと、今度はHASEGAWAが大仁田に爆破バット攻撃を仕掛けるもカウント2。櫻井への毒霧攻撃で流れを変えた大仁田は、HASEGAWAの脳天を机の破片でぶっ叩くと、爆破バットをフルスイング。強烈な一撃を食らったHASEGAWAは、返すことができず、大仁田が台風のなかの激戦を制した(15分32秒、体固め)。
台風に負けず、沖縄初の電流爆破マッチを決行した大仁田は「沖縄の皆さん、台風のなか、来てくれてありがとう。HASEGAWA、よくがんばったな!」と絶叫。第3試合が終わった頃には、雨風もやや弱まり、結果的に全8試合を、途中で大会を中止することなく、無事終えることができた。会場には悪天候のなか、686人もの熱心なファンが駆けつけた。
今大会のプロデューサーを務め、大役を果たしたHASEGAWAは「中止命令が出たけど、台風のなか、奇跡的に最後まで開催できた。ボクたちはAKBには負けなかった。大仁田さんのクビを取れなかったのは残念だけど、最後にやり合えてよかった。沖縄の皆さんには感謝します。来年もA-TEAMは、沖縄大会を開催したい。負傷のため今回欠場となった橋本友彦(代表)も連れて、帰ってきます」と感慨深げに語り、沖縄再上陸を誓った。