正規王者の有川稔男が日本ウエルター級王座統一 2度目の防衛に成功

 「ボクシング・日本ウエルター級王座統一戦」(7日、後楽園ホール)

 正規王者の有川稔男(川島)が5回1分42秒TKO勝ちで暫定王者の坂本大輔(角海老宝石)を下し、2度目の防衛と王座統一に成功した。有川は15勝(13KO)4敗、坂本は14勝(8KO)9敗3分となった。

 序盤は距離感に戸惑いながらも右ストレート、左フックで主導権を握った。坂本の反撃を許す場面もあったが、手数と有効打は上回った。そして5回、左ボディーからの右ストレートを顔面に打ち込むと坂本の左目上から鮮血がほとばしった。「手応えというより、切り裂く感じだった。バッと血が出たので」と、一瞬攻撃の手を止め、レフェリーを見たほど。結局、この一撃でレフェリーストップとなった。

 1回、右カウンターで膝を付かせながら「スリップ」とされる不運があった。「ダメージがあったのは分かったけど、息を吹き返してきたのでちょっと焦って強引に行ってしまった。インターバルで会長に焦るな、と言われた」と落ち着きを取り戻した。

 今回、左フックに磨きをかけてきた。これまで拳を縦に、手のひら側を内側に向けて打っていたが「ナックルを効かせるよう」横向きに変えた。「自分の中ではゴロフキンみたいと思っているんですけど」と要所で効かせた。

 16年11月の初防衛成功後、練習中のスパーリングであごを骨折した。このため、4月に予定されていた坂本との指名試合をキャンセル。患部のプレートが外れ、本格的に練習を再開したのは9月だった。復帰戦を飾り「どこもケガしなくてよかったです」と淡々と振り返った。敗れた36歳の坂本は「悔しい。ああ悔しい。やめるのはイヤだけど、これでボクシングは終わりかな」と引退を示唆した。

 暫定王者として向かってきた坂本を倒し、これでデビュー戦を除き敗れた3人の相手をすべてKOでリベンジした。「デビュー戦の相手(渡辺重明=セレス)は引退しているので」と笑った。

 川島郭志会長は「日本チャンピオンになって負けた相手に借りを返していこう、と言っていた。防衛戦の相手は決まっている(最強挑戦者決定戦を勝った矢田良太=グリーンツダ)ので防衛して、もっと上のクラスの選手とやれるようにしたい」と、まな弟子に大きな舞台を用意するつもりだ。

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