WBA王者の井岡一翔が王座返上 「本人モチベーション次第」と父 引退可能性も

井岡一翔の王座返上を発表した井岡ジムの井岡一法会長
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 ボクシングWBA世界フライ級王者の井岡一翔(28)=井岡=が保持していた王座を返上したことが9日、明らかになった。大阪市内で会見を行った、井岡の父で所属ジムの一法会長(50)が発表した。

 井岡と夏場以降話し合いを重ねてきたという一法会長は「(年末の)試合への準備が間に合わないので、いったん(ベルトを)返上しようということになった。(井岡)本人がスイッチを切り替えたら、来年に世界前哨戦をノンタイトルでやるかもしれないが、それも本人次第。本人のモチベーションがなく、身を引くなら引退式もやる。二つに一つ」と引退の可能性にも言及した。11年から続いていた大みそかの世界戦も6年連続でストップ。井岡との対戦を熱望していたWBC世界フライ級王者・比嘉大吾(22)=白井・具志堅=との統一戦実現も絶望的となった。

 井岡は4月23日にノクノイ・シットプラサート(タイ)を3-0の判定で下し、5度目の防衛に成功した試合を最後にリングから遠ざかっていた。WBAルールでは、王者は指名試合の期限が9カ月と義務づけられている。WBAは8月に公式ホームページで、井岡と同級1位のアルテム・ダラキアン(ウクライナ)の両者に指名試合の交渉を行うことを命じたと発表し、両陣営に7月31日から30日間の交渉期限を与え、8月末までに合意しなければ入札になるとしていた。井岡は昨年12月31日の暫定王者・スタンプ・キャットニワット(タイ)とのV4戦(7回TKO勝ち)が前回の指名試合だった。

 大阪府堺市出身の井岡は09年4月にプロデビューし、11年に国内最速7戦目(当時)でWBC世界ミニマム級王座を獲得。12年には八重樫東(大橋)とのWBC・WBA世界ミニマム級王座統一戦を制し、日本人初の2団体統一王者となった。さらに同年、WBA世界ライトフライ級王座を獲得し、日本最速の11戦目で2階級制覇を達成。15年4月にWBA世界フライ級王座を奪取し史上最速18戦目で3階級制覇を成し遂げた。17年5月17日には歌手の谷村奈南(30)と入籍したことを発表していた。戦績は22勝(13KO)1敗。

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