大仁田、またリングで大暴れ “最後の愛弟子”引退試合に乱入アシスト

 「佐瀬昌宏引退興行」(19日、東京・新木場1stRING)

 10月31日に7度目の引退をした大仁田厚氏の“最後の愛弟子”佐瀬昌宏(39)が、引退試合で師匠のアシストを受けるも血だるまで玉砕し、15年にわたるプロレス人生に終止符を打った。

 大仁田氏が“涙のカリスマ”として活躍した初期FMWに強い影響を受けて、プロレスラーを志した佐瀬は、02年春にターザン後藤一派の門を叩いた。約1年の修行期間を経て、03年4月20日に、同団体でデビュー。その後、新FMW、スーパーFMW、アップルスター・プロレス、超戦闘プロレスFMW、大仁田興行などで、デスマッチファイターとして戦ってきた。最後の最後であこがれの人、大仁田氏と巡り会い師事。大仁田氏も、なにかと佐瀬の面倒をみてきた。しかし、頸椎(けいつい)の故障が悪化したため引退を決断し、自身のプロデュースで引退興行を開催するに至った。

 佐瀬は、これまたあこがれの人だった田中将斗とタッグを組み、葛西純、NOSAWA論外組と、有刺鉄線ボード・ストリートファイト電流爆破バット・タッグデスマッチで対戦。“見届け人”として来場した大仁田氏は本部席に陣取り、その後、客席に移動して、佐瀬の戦いぶりを見守った。

 試合はのっけから激しい場外戦で開戦。佐瀬はデスマッチのエキスパートである葛西、論外の厳しい凶器攻撃を受けて額から大流血。それでも、必死に食い下がると、会場外の駐車場に葛西を連れ出して、電流爆破バットで一撃した。

 だが、それでひるまなかった葛西と論外が佐瀬に集中砲火を浴びせると、いつしかリングに上がっていた大仁田氏が、論外に必殺のサンダーファイアーパワーボムを見舞いアシスト。しかし、このチャンスをモノにできなかった佐瀬は、葛西のリバースタイガードライバーこそ返したが、体の上に有刺鉄線ボードを置かれた状態で、パールハーバースプラッシュを食ってごう沈。無念の3カウントを聞き(19分20秒、体固め)、引退試合を勝利で飾ることはできなかった。

 試合後には、師・大仁田氏から花束を渡され、「オマエは事業もやりながら、プロレスもよくがんばった」と、ねぎらいの言葉をかけられると、「大仁田さん、今日は“見届け人”として来てくださってありがとうございました。感謝します」と言うや号泣。セレモニーには、がんと闘病中の“邪道軍”ワイルド・セブン、戦友でもある橋本友彦、HASEGAWA、雷電ら、A-TEAMの面々を始め、夫人、母親、3人の息子さんたちもリングに上がり、最後の10カウントゴングを聞いた。

 胴上げをされて、リングを降りた佐瀬は「このメンツの中で、勝ちたかったけど、相手が1枚も2枚も上だった。気持ちよくやられたので、第2の人生を歩みたい。大仁田さんには感謝の気持ちでいっぱいです。デビューした頃は月1回も試合がなかったりしたけど、最後の1年は大仁田さんのおかげで、たくさん試合ができて、いろんな経験をさせてもらって満足です。悔いがないって言ったら,ウソになるけど。今後は首を治して、総合格闘技の道場に通って、体を鍛え直したい。いずれ試合もできたらいい」とコメント。

 思わぬ“乱入”という形で、試合に介入した大仁田氏は「佐瀬が危ないと思って、思わず手が出てしまいました。申し訳ありません」と話したが、またぞろ“ほとんど復帰”と言われそうだ。

 また、10月31日の引退試合から49日後に、再び大仁田氏と肌を合わせた論外は「体が大仁田さんをほしがってる。復帰しないんですか?」とラブコールを送っていた。

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