“美しき狙撃手”美闘陽子が引退「一般女性に戻ります」カイリ・セイン来た
「プロレス・スターダム」(24日、後楽園ホール)
“美しき狙撃手”美闘陽子(31、本名・新井陽子)が引退試合を終え、合計3年余りのプロレス人生に別れを告げた。
引退試合は自ら希望したカードで、彩羽匠と組み、初対戦の里村明衣子、この試合のために来日したトニー・ストーム組と対戦。美闘は里村と激しいキック合戦を演じ、得意のBドライバーを繰り出しただけでなく、彩羽がパワーボムの体勢で持ち上げたストームをダイビングラリアットでたたきつける合体技も披露するなど持ち味を発揮したが、最後はストームの脳天くい打ちストロングゼロ4連発をくらって3カウントを聞いた。
試合後、3人からねぎらいの言葉をかけられた美闘は「負けてしまったけど、すべて美闘陽子を出し尽くすことができました。本当にありがとうございました」とあいさつ。その後の引退セレモニーでは、紫雷イオ、元相棒の愛川ゆず季、長与千種ら多くの選手、関係者が祝福。さらに、タッグチーム“BY宝”のパートナーで現在はWWEで活躍するカイリ・セインも米国から駆けつけて、美闘と別れのあいさつを交わした。
そして、再びマイクを握った美闘は涙をこらえながら「2011年にデビューしていろいろあったけど、美闘という名を(社長のロッシー)小川さんにいただいて、美闘陽子が誕生しました。いろいろあったけど、最後までリングに立てて本当によかったです」と最後のスピーチ。10カウントゴングの後、スターダムの選手が作った騎馬に乗ってリングを1周して去って行った。
身長170センチの恵まれた体格を持ち、空手とハンドボールで全国レベルの実績を残した美闘はエース候補と期待されて11年1月にデビューするも、12年10月に一度引退。16年6月に復帰したが、「老いぼれていく姿を見せたくない。ケガとかが理由じゃなく、もう31(歳)なんで、ちょっと、体力も限界なのかな」と、わずか合計3年あまりで現役生活を終えることを決断した。
インタビューでは「泣いちゃいましたけど、今は笑顔です。今は美闘陽子を終えた清々しい気持ちでいっぱいです」と充実感をにじませた美闘。今後については「普通の一般女性に戻ります」と話し、「これ(インタビュー)も最後なんですね。悲しいな。まだ実感がわいていない。ありがとうございました」と笑顔で去って行った。