後藤洋央紀がNEVER王座奪還 鈴木みのるとの髪切りマッチ制す

鈴木みのるをマットに静める後藤洋央紀(右)=東京ドーム(撮影・山崎力夫)
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 「プロレス・新日本」(4日、東京ドーム)

 NEVER無差別級選手権は敗者髪切り&ノーセコンド・デスマッチで行われ、前王者で挑戦者の後藤洋央紀が王者鈴木みのるを18分4秒で退け、王座に返り咲いた。鈴木のスリーパー攻めに失神寸前まで追い込まれた後藤だったが、最後はGTRをさく裂させ、因縁の相手から3カウントを奪った。鈴木は5度目の防衛に失敗。試合後はリング上で自らバリカンで髪を刈った。

 荒武者の“髪頼み”がかなった。ドーム大会史上初の髪切りデスマッチ。鈴木の徹底したスリーパー攻撃に、一時は失神寸前まで追い込まれ、防戦一方だった後藤だったが、終盤に雪崩式牛殺しで形勢逆転すると、最後はGTRで因縁の相手を沈めた。

 決着後、髪を切らないまま、鈴木軍が鈴木を控室に戻そうとしたが、鈴木自身がこれを制して再びリングへ。自らリングに椅子を持ち込み、バリカンを手に、自分で伸ばしていた後頭部の髪を刈った。「初めてセコンドなしの1対1でやったけど、今回が1番強かった。最後は向こうの意地でしょうね」と、後藤。鈴木のプライドを見届けた新王者は、ベルトを手に納得したようにうなずいた。

 「今の自分のは髪ぐらいしか懸けるものがなかった」。

 4月に鈴木に敗れ、同王座から陥落した後藤は、6月にリマッチに挑むも返り討ちにあった。その後も対戦を訴え続けてきた後藤に、鈴木は「俺に負けっぱなしのやつの願いをなんでかなえなきゃいけねぇ」と挑発。後藤が「この髪を懸ける」と自慢の長髪を差し出す決意をしたことで再戦が決定した。負ければ新弟子時代以来となる丸刈り。14年のレスラー人生を懸けた大一番を何とかものにした。

 昨年の1・4で高校の同級生の柴田勝頼から奪ったベルトを奪還した。盟友は昨年4月に急性硬膜下血腫を発症し、現在はリングから離れているが「彼がどうなるか分からないけど、俺がこのベルトを持っていることで彼も戻りやすい。俺はこれを持って、彼を待ってますよ」と、エールを送った。

 毎年どこか殻を破りきれない荒武者。「無差別のこのベルトの価値をより一層高められるようにしていく」。守り切った長髪と、取り戻した誇りとともに、飛躍を目指す。

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