“神の左”山中、因縁ネリに「借り返す」3・1W世界戦で再戦「次やったら勝てる」
ボクシングの帝拳ジムは5日、都内で会見を開き、前WBC世界バンタム級王者で同級1位の山中慎介(35)=帝拳=が、同級王者ルイス・ネリ(23)=メキシコ=と3月1日に東京・両国国技館で再戦すると発表した。山中は昨年8月、ネリに4回TKOで敗れ13度目の防衛に失敗。前回対戦後にネリがドーピング検査で陽性反応を示したことが判明したが、WBCは意図的摂取の証拠がないとし再戦交渉を命じていた。同日にはIBF世界スーパーバンタム級王者の岩佐亮佑(28)=セレス=が同級13位のエルネスト・サウロン(28)=フィリピン=と初防衛戦を行う。
ただリベンジするために、“神の左”が帰ってくる。再戦のチャンスが巡ってきた山中は「現役続行を宣言してから、ネリに借りを返したいという思いだけで練習してきた。先のことは考えず、3月1日のことだけ考える」と闘志を燃やした。
昨年8月の対戦は、具志堅用高の持つ日本記録に並ぶ世界王座13連続防衛がかかっていた。4回にどんどん前に出るネリの連打を浴び、トレーナーがタオルを投入。その戦いを「自分が止まったのが悪かった」と反省した。帝拳ジムの浜田剛史代表も「心残りというか、あの後を見せたかったと言うのが本音。ディフェンス力、見ている人も安心できるようにしたい」と対策を練った。
山中はこの一戦にすべてをかける。「あれじゃ、やめられないでしょう。どうしても思い出してしまう、あの8月の敗戦を」と、屈辱が脳裏から離れない。今回、トレーナーが交代するが「今までも何回か見てもらっていたし、意見も一緒」と不安はない。
再戦はプロ2度目だが、今回は立場が入れ替わる。「次やったら勝てると思うから、現役続行したのもある。自分としては、いい感覚もあったんで。3月1日に結果で証明するだけ」。すべてを込めた“神の左”で再び世界をつかむ。