比嘉大吾に“因縁”のアイス食べさせた 37年越し具志堅劇場でリベンジだ
「デイリー後援・ボクシング・WBC世界フライ級タイトルマッチ」(4日、沖縄県立武道館)
前日計量が3日、那覇市内で行われ、王者の比嘉大吾(22)=白井・具志堅スポーツ=はリミットいっぱいの50・8キロ、挑戦者モイセス・フエンテス(メキシコ)は50・6キロで、ともに1回目でクリアした。37年前に地元沖縄での世界戦で敗れた具志堅用高会長(62)は、計量後に食べられなかったことを敗因に挙げる“因縁”のアイスクリームを比嘉に食べさせて“リベンジ”するなど、爆笑の“具志堅劇場”を繰り広げた。
カンムリワシが食事で“リベンジ”に成功した。王者、挑戦者ともに計量をクリアすると、すぐさま具志堅会長は取り出したアイスクリームとスッポンスープを比嘉に手渡し、フエンテスにもタコスをプレゼント。突然の“具志堅劇場”に場内は爆笑で、フエンテスも困惑しつつ「ありがとう」と受け取った。
37年前に沖縄でWBA世界ライトフライ級王座14度目の防衛戦に臨んだ具志堅会長だが、計量後の恒例だったアイスクリームを食べられずに12回KO負けした。「あのときアイスを食べてたら20連続防衛ぐらいしてたよ」と振り返る“因縁”がある。さらにスッポンスープも37年前の試合前に飲んだものと同じ料理人に作ってもらった。「悔しい思いを繰り返さないように」と意図を説明した。
比嘉はアイスクリームを平らげ「会長の敵討ちなので、しっかり食べました」と力こぶ。スッポンスープも口にし「37年前食べたんじゃないかなというぐらい懐かしい味でした。まだ生まれてないですけど」と冗談を飛ばしながらも、「会長の37年が自分の中に入ってきます。しっかり背負って戦う気持ちはあります」と師匠の思いを感じ取っていた。
毎回苦しむ減量を乗り越え、「試合まではすぐ。それに備えて、万全の状態でKOで勝つだけ」と比嘉。日本記録に並ぶ15連続KOでのV2に臨戦態勢だ。具志堅会長は「これから大吾をステーキに連れていく。最高のテンダロイン。勝つためにはしっかりいいものを入れさせたい」と夕食まで完全サポートを約束。最後に「居酒屋に飲みに行かないで、おうちで(テレビを)見てほしいですね」とファンに訴え、またも笑いを誘った。