比嘉大吾 瞬殺V2 日本新!デビューから15連続KO 故郷で師匠の“リベンジ”
「デイリー後援・ボクシング・WBC世界フライ級タイトルマッチ」(4日、沖縄県立武道館)
王者の比嘉大吾(22)=白井・具志堅スポーツ=が、2度目の防衛戦で同級9位のモイセス・フエンテス(メキシコ)を1回2分32秒、KOで下し、15試合連続KO勝利の日本記録に並んだ。これまで浜田剛史、牛若丸あきべぇ(現渡部あきのり)が記録していた。デビューからの連続KO勝利は日本新記録。地元の沖縄での世界戦開催は1981年に具志堅用高が敗れて以来4度目。師匠の無念も晴らし、初の日本選手勝利となった。
“カンムリワシ2世”が沖縄の悲願を成し遂げた。比嘉が電光石火の1回KOでV2に成功。37年前に戦った所属ジムの具志堅会長を最後に、3人の地元選手が敗れた沖縄での世界戦で、初めてハッピーエンドを見せつけた。
無数の指笛が響き渡る沖縄独特の雰囲気に包まれた会場で、元世界2階級制覇王者フエンテスに襲いかかった。開始早々に左フックを浴びたが、攻める姿勢を崩さなかった。カウンター気味の右ストレートでぐらつかせると、ラッシュをかけ、最後は左ボディー、左アッパー、右ボディーでキャンバスにはわせてレフェリーのストップを呼んだ。
具志堅会長と喜びの抱擁を交わすと、リング上で昨年11月に死去した金城真吉さんの遺影を掲げた。興南高、沖縄尚学高の監督などを務め、具志堅会長ら約40人のアマ王者を育てた名伯楽で、比嘉は孫弟子に当たる。具志堅会長は「監督のためにも(勝利を)ささげたかった」と感慨深げに話した。
比嘉は笑みを浮かべながら、「涙がでましたね」と冗談を交えつつ、「地元だったし、いろいろあって。1ラウンドで勝てるとも思っていなかったので」と喜びを表現。地元の重圧は「今までで一番あった」と打ち明け、前夜は眠れなかったという。
プレッシャーだけでなく、今回は減量に最も苦しんだ。計量2日前には足がしびれ、やむなく水分を補給。翌日はパイナップルを2~3切れ食べただけの、ほぼ絶食状態だった。それを乗り越え、本番ではベストコンディションに持ち込んだ。野木丈司トレーナーは本人の精神面の成長だけでなく、「これまでの経験が生きた」と、周囲のサポートの成長も感じ取っていた。
次戦は日本新記録の16連続KO防衛がかかる。具志堅会長によると、次戦もフライ級にとどまり、時期については「夏前には」という。「特別なチャンピオンになるためにKOを狙います」と宣言した比嘉。歴史に名を刻む歩みはまだまだ続く。