勅使河原、大苦戦のV1 師匠の輪島会長も愛のムチ「勝負に欲がない」
「ボクシング・WBOアジア・パシフィック・バンタム級タイトルマッチ」(8日、後楽園ホール)
王者の勅使河原弘晶(27)=輪島功一スポーツ=が3-0の判定で同級7位ジェイソン・カノイ(27)=フィリピン=の挑戦を退け、初防衛に成功した。
勅使河原はWBO世界スーパーフライ級王者・井上尚弥のスパーリングパートナーを務め、KO負けが一度もないタフな挑戦者に大苦戦。開始早々、大振りの右をもらい「記憶がなくなった」というダメージを受ける。
その後はダメージが響き、散発的に右ストレート、ボディーなどをクリーンヒットさせるも仕留めきれず。相手の頭を沈めながら放つ大振りのパンチをもらう場面も目立ったが、判定で白星を手にした。
試合後は、「まだまだボクはこんなもんじゃないと言いたいところですけど、こんなもんです」と自嘲。「1ラウンド目に効かされちゃったんで、ちょっともらうと効いちゃう。ずっと自分にカツを入れながら戦っていました。『ふざけんなお前、世界チャンピオンになるんだろ。こんな試合してんじゃねえよ』と自分に言い続けながら。悔しいですけど、相手が強かったと言うこと」と苦しい戦いを振り返った。
所属ジムの会長で元世界スーパーウエルター級王者の輪島功一氏は「打ったら必ず下がって逃げる。向かってきたときが勝負なんだよ。勝てばいいんだというボクシングじゃダメ。何ラウンドに倒したいという、勝負に欲がない」と、まな弟子に愛のムチ。
勅使河原は「勝って反省できてるんで。いろんな、みんなの夢を背負ってボクシングをやっているので、本当に心を入れ替えて、死にものぐるいでやり直します。本当に勉強になりました」と奮起を誓った。