「ボクシング・ＷＢＣ世界バンタム級タイトルマッチ」（３月１日、両国国技館）

　ダブル世界戦の前日計量が２８日、東京都内で行われ、王者復帰を目指す挑戦者で同級１位の山中慎介（３５）＝帝拳＝はリミットから２００グラムアンダーの５３・３キロで１回でパスしたが、王者ルイス・ネリ（２３）＝メキシコ＝は体重超過でタイトル剥奪となった。

　ネリは１回目の計量でリミットから２・３キロオーバーの５５・８キロという前代未聞の体重超過となった。約２時間後の再計量でもリミットから１・３キロオーバーの５４・８キロでタイトル剥奪となった。

　３月１日の試合で山中が勝てば王者となり、引き分けか負けなら王座は空位となる。山中はネリの体重超過についてコメントすることはなかったが、目には悔し涙が浮かんでいた。戦績は山中が２７勝（１９ＫＯ）１敗２分け、ネリが２５勝（１９ＫＯ）。

　最近の世界戦では、昨年４月のＷＢＯ世界バンタム級タイトルマッチで大森将平（ウォズ）の挑戦を受けた王者マーロン・タパレス（フィリピン）、同５月のＷＢＣ世界フライ級タイトルマッチで比嘉大吾（白井・具志堅）が挑戦した王者フアン・エルナンデス（メキシコ）らが体重超過でタイトル剥奪となっている。

　２７日の調印式では、グローブチェックの際にネリ陣営のプロモーターのギジェルモ・ブリト氏（５４）がメキシコ製から日本製への変更を突然要求していたが、この日のルールミーティングで日本製グローブを使用することが正式に決まった。

　また、ＪＢＣ（日本ボクシングコミッション）は、ＶＡＤＡ（ボランティア・アンチドーピング機構）が２月２日と３日に行ったドーピング検査の結果、ネリが陰性だったことを明かした。

　ＩＢＦ世界スーパーバンタム級タイトルマッチの前日計量も行われ、初防衛を狙う王者の岩佐亮佑（２８）＝セレス＝はリミットから１００グラムアンダーの５５・２キロ、挑戦者で同級１３位のエルネスト・サウロン（２８）＝フィリピン＝は同３００グラムアンダーの５５・０キロでともに１回でパスした。戦績は岩佐が２４勝（１６ＫＯ）２敗、サウロンが２１勝（８ＫＯ）２敗１分け。