元世界2階級王者・粟生隆寛、涙のカムバック 2年10カ月ぶり再起戦判定勝ち

8回、粟生(右)の左フックがディアスの顔面をとらえる=両国国技館(撮影・出月俊成)
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 「ボクシング・8回戦」(1日、両国国技館)

 元世界2階級王者・粟生隆寛(33)=帝拳=が、2015年5月以来2年10カ月ぶりの再起戦となる62キロ契約8回戦に臨み、かつて苦杯をなめさせられた元WBC世界スーパーフェザー級王者のガマリエル・ディアス(37)=メキシコ=に3-0の判定勝ちを飾った。粟生の勝利は14年10月のフアンカルロス・サルガド(メキシコ)戦以来、3年5カ月ぶり。

 粟生はディアスの左フックを浴びるなど不安定な立ち上がりとなったが、徐々にリズムをつかみ、3回に左ストレートでダウンを奪った。倒しきることはできなかったが、3年5カ月ぶりの勝ち名乗りを受けた。

 粟生はリング上で「この2年10カ月、試合のない僕をずっと気にかけてくれて、応援してくれた人にカッコイイ試合を見せたかったですが、ふがいない試合で(今後を)ちょっと考えないといけない。本当に皆さんの応援や温かい言葉が励みになりました。応援に感謝しています」と涙ながらに語った。

 粟生は15年5月に米ラスベガスでレイムンド・ベルトラン(メキシコ)と空位のWBO世界ライト級王座を争ったが、体重超過で失格したベルトランに2回で倒された。試合後の検査でベルトランが筋肉増強剤スタノゾロールの陽性反応を示し、試合結果は無効試合になったが、ここから粟生のキャリアも歯車が狂い始める。所属ジムからは引退勧告を受けるなど2年10カ月のブランクをつくった。

 ようやく迎えた再起戦の対戦相手には因縁の相手を迎えた。WBC世界スーパーフェザー級王者だった12年10月に4度目の防衛戦で迎えたディアス。全盛期を迎えつつあった中で、圧倒的有利といわれた試合で、まかさの0-3の判定負け。王座を失った。15年11月に再戦が決まったが、この時は粟生の負傷でキャンセルしている。

 ディアスは粟生に勝ち王座に就くと、13年4月の初防衛戦で三浦隆司(帝拳)に9回TKOで敗れた。王座陥落後は11試合を行い、2勝8敗1分け。現在は3連敗中だった。

 粟生の通算戦績は33戦28勝(12KO)3敗1分け1NC。ディアスは62戦40勝(19KO)19敗3分け。

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