神の左よ永遠に…山中「これで最後」引退で感謝の涙 因縁のネリに2回TKO完敗

 「ボクシング・WBC世界バンタム級タイトルマッチ」(1日、両国国技館)

 “神の左”がリングを去る。挑戦者の山中慎介(35)=帝拳=は、前日計量で体重超過して王座はく奪となったルイス・ネリ(23)=メキシコ=との再戦に2回1分3秒TKOで敗れ、王座返り咲きに失敗した。王座は空位となった。山中は1回に右ストレートでダウン。2回もネリの連打に3度のダウンを喫した。試合後、山中は「これで最後、終わりです」と現役引退の意向を表明した。

 もろくもかき消されたリベンジの炎。それでも、名王者は最後まで美しかった。ネリに借りを返す。勝っても負けても最後との思いで再起した山中。結果は無残な2回TKO負けだったが、すべてをやり終えたような表情で「これが最後、終わりです」と明言した。

 ネリは前日計量で1・3キロも超過して王座はく奪。この日正午に58キロの上限が課された計量を57・5キロでパスした。常軌を逸した超過を危険視する声もあったが、試合はペナルティーなしで決行。ドーピング問題など騒動を重ねたこともあって、すさまじいブーイングが浴びせられた。

 だが、山中はまたも回転のいい連打に捕まる。序盤こそ右ジャブで距離を保ったが、1回にカウンター気味の右ジャブでダウン気味にスリップすると、ネリの突進を許す。左ストレートでダウンすると、2回も猛攻にさらされ、左フック、連打、カウンターの右と3度のダウンを奪われてストップとなった。

 敗因を分析して臨んだリベンジ。相手を圧倒してきた山中は守勢に慣れておらず、前戦は“神の左”を恐れないネリの突進に棒立ちとなった。今回は腰を落とし、ガードを固めて連打を止める練習を重ねたが、ネリの勢いはそれを上回った。

 山中は敗れた後はしばらく立ち上がれなかったが、インタビューでは「現役続行して良かった。試合は早すぎましたけど、仕方ないですね」と気丈にコメント。「ボクより強かっただけ」と相手の実力を認めつつ、計量失敗には「これからちゃんとしてほしいですし、ボクシング界全体でもっと厳しくしてほしい」と苦言も呈した。

 だが、話が家族に及ぶと、「期待に応えられなかったのは残念ですけど、目標に向かって頑張っている姿を見せられたのはよかった」と、涙がボロボロ。さらに、敗れても「ありがとう」と声援を送ったファンにも、「ありがとうはこっちのセリフです。デビューしたとき、チケットを買ってくれたのは20人だった。今日は何千人も駆けつけて、必死に応援して下さった」と感謝を忘れなかった。

 29歳の遅咲きで世界王者になり、日本歴代2位の12連続防衛を達成した。夢と興奮と感動を与えた“神の左”を、ボクシングファンが忘れることはないだろう。

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