世界ボクシング評議会（ＷＢＣ）は２日、山中慎介（３５）＝帝拳＝とのバンタム級タイトルマッチの計量で体重超過となり王座を剥奪されたルイス・ネリ（２３）＝メキシコ＝を無期限資格停止にすると発表した。さらにネリの聴取を行うとした。ネリ陣営は処分を真摯（しんし）に受け止め、ＷＢＣとの協議を進める意向を示した。

　ＷＢＣは大幅超過を「受け入れがたい」とした。ネリは前日計量で１回目はリミットを２・３キロ超過の５５・８キロ、再計量も５４・８キロで王座を剥奪された。試合は実施され、ネリが２回ＴＫＯ勝ちして王座は空位となり、王座復帰に失敗した山中は引退を表明した。

　ネリは都内で「（処分を）受け入れるが、またベルトのために闘いたい」と話した。ギジェルモ・ブリト・マネジャーは処分を真摯に受け止め、ＷＢＣとの協議を進める意向を示し「われわれはＷＢＣに敬意を示す。体重をオーバーしたわけだし、ルールということは分かっている。ただ、若く将来もある選手。ＷＢＣと今後について話し合いたい」と述べた。ネリらは３日、帰国の途に就いた。

　日本ボクシングコミッションの安河内剛事務局長によると、世界主要４団体で体重超過について明確な処分があるのは世界ボクシング協会（ＷＢＡ）の罰金だけ。処分発表を受け「相当重い。過去にも体重超過の例はある中で、非常に迅速で重大な処分。少なからず他の主要３団体に影響を与えることになると思う」との見解を示した。

　帝拳ジムの本田明彦会長によれば、ＷＢＣはネリへのファイトマネーについて、未払い分の７割の支払いを凍結するよう指示している。