高山、アマ登録求め署名提出もボクシング連盟は門前払い JOCは後押し
ボクシングで日本初の世界主要4団体制覇を果たし、アマチュアとして2020年東京五輪出場を目指す高山勝成(34)=名古屋産大=が7日、大阪市の日本連盟を訪れ、自身のアマ登録を求める約2万5千人分の署名原本とアマ登録申請書類を持参したが、同連盟は山根明会長(78)の不在を理由に対応しなかった。高山は同日、東京都内の参議院議員会館で日本オリンピック委員会(JOC)副会長の橋本聖子参院議員(53)を表敬訪問し、署名のデータを提出した。
ドアが開かれることはなかった。約2万5千人分の署名原本とアマ登録申請書類を手に連盟大阪事務局を訪れた高山だったが、連盟側は「責任者不在」を理由に受け取りを拒否した。同連盟によると、山根会長は5日から12日まで韓国出張に出ているという。事前に訪問を伝えていたにもかかわらず対応を拒まれた高山は「自分ができることはやった。また会長がいらっしゃる時に出向きたい」と無念の表情で語った。
一方でこの日午前には、都内で橋本JOC副会長と面会。約30分間の会談では「JOCとしてこれからも活動に注目し、できる限りのことはしていきたい」との後押しを受けたという。高山も「最終目標の東京五輪出場に向けて、ベストを尽くして戦っていきたい」と話したが、JOCと連盟側の“温度差”が浮き彫りとなった。
国際ボクシング協会(AIBA)は16年リオデジャネイロ五輪からプロ選手の出場を全面的に解禁。AIBAの臨時総会の投票では山根会長も賛成票を投じたが、日本連盟はプロ経験者の試合出場を認めていない。同会長は「プロは生活のため、アマは学校教育の一環としてやってきた歴史がある。その歴史がひっくり返ることはない」と話し、高山のアマ登録申請を受理しない意向を示している。
2月には国際オリンピック委員会(IOC)のバッハ会長が東京五輪でボクシングを実施競技から除外する可能性を明らかにした。それでも高山は「五輪に向けてコンディショニングを仕上げることに変わりはない。いきなり五輪ではなく、いちアマ選手として予選から勝ち抜くつもり」と改めて決意を語った。逆風にさらされても、反骨の王者が揺らぐことはない。