日本ボクシングコミッション（ＪＢＣ）は２５日、都内で倫理委員会を開き、体重超過によりＷＢＣ世界フライ級王座を剥奪された比嘉大吾（２２）＝白井・具志堅スポーツ＝へのボクサーライセンス無期限停止処分を決めた。世界戦の計量失敗が日本選手初であることを考慮し、重い処分となった。体重超過による無期限停止処分は初めて。また、体重超過に関する罰則ルールを早期に決めることも発表した。

　再発防止への厳罰だ。ＪＢＣは処分の理由について「階級制を前提としたボクシングに対する社会的信用を著しく毀損（きそん）する行為」などと説明した。ファイトマネー相当額の２０％を制裁金とし、復帰の場合は次戦で１階級以上上げることを義務づけた。

　具志堅用高会長らジム関係者に対しては、管理責任を問われ戒告処分などが下された。ライセンスの停止処分解除については、定期的な管理報告、健康状態の報告などを受け、総合的に勘案してＪＢＣが決定するという。

　ＪＢＣの安河内剛事務局長は処分が無期限となったことについて「懲罰の意味が一番。期限を切ると再起ありきになりかねない」と話す一方、「一人の若いボクサーを失うことを救済する考えもある」と説明。比嘉の減量計画がきめ細かいものだったことなどを考慮した。

　ＪＢＣは、昨年１０件だった体重超過が今年は４月１５日時点で６件と増加していることに危機感を抱いており、来月中旬に理事会を開いて罰則ルールを決める方針。制限体重を３％以上超過すれば、２時間以内の猶予を与えずに試合中止、８％以上なら転級勧告し２回目なら転級命令、１２％以上なら１回目で転級命令などが盛り込まれるという。