「ボクシング・１０回戦」（２日、後楽園ホール）

　日本ミドル級王者の竹迫司登（２６）＝ワールドスポーツ＝が３度ダウンを奪ってタイのミドル級１位・チャイワット・ムアンポン（３１）を７回２分４４秒ＴＫＯで完勝。デビュー以来、連続ＫＯ勝利記録を９に伸ばした。

　タフな相手を豪腕でねじ伏せた。２回、左ボディー一発で相手は前のめりに倒れ込んだ。過去８戦はすべて３回までにＫＯしてきた竹迫だが、仕留めきれない。

　プロ最長の４回もしのがれて迎えた５回だ。右ストレートが豪快に顔面をとらえ、２度目のダウンを奪う。しかし相手はまだ立ち上がる。鼻血を流し、フラフラの相手に７回、左ボディーを突き刺しひざまづかせると、やっとレフェリーが試合をストップした。

　「早く終わると期待させて申し訳ない。（ムエタイ王者は）タフだった。効いたパンチはあったと思うけど向かってきた。もうちょっと早く倒したかった。課題がある。こんなところで終われない」。リング上のヒーローインタビューでは反省ばかりを並べた。

　６月に西田光（川崎新田）を１回１分３２秒ＴＫＯで倒し、王座を奪取。防衛戦の予定だったが、日本ランカーにオファーをすべて断られて、無念のノンタイトル戦になった。

　「直球に突っ込みすぎた」と組み立てに課題は残したが、先を見据えれば自己最長のラウンドを戦ったのは収穫。斉田竜也会長は「いい勉強。キャリアを積まないと、世界はまだまだ。ああいう相手を倒さないと」と、目標の世界まで、じっくり力を付ける考え。

　まずは日本王座の防衛を重ねる考え。藤原俊志トレーナーは「これで挑戦者が名乗り出てくれば。逃げるなって」と、次戦こそ初防衛戦を切望。東洋太平洋＆ＷＢＯアジアパシフィック同級２冠王者の秋山泰幸（ワタナベ）に「３本ベルトをかけてやりましょう。待ってるぜって」とまな弟子の思いを代弁していた。