新日本・オメガ オカダとの死闘制してIWGP初戴冠「オレがこの会社引っ張る」
「プロレス・新日本」(9日、大阪城ホール)
IWGPヘビー級選手権試合が同王座戦史上初の時間無制限3本勝負で行われ、挑戦者ケニー・オメガが2勝1敗で王者オカダ・カズチカの13度目の防衛を阻止し、初の同王座奪取に成功した。
過去3度の両者の対戦は1勝1敗1分。1年前の大阪での戦いは60分時間切れ引き分けに終わり、今回はオカダが時間無制限、オメガが3本勝負を要求して実現した完全決着戦。戦いは同王座戦史上最長となる合計64分に及ぶ死闘となった。
1本目はオカダが場外でバランスを崩して左腕を痛め、オメガが大技連発で攻勢に出る。だが、オメガは回転エビ固めを繰り出したところを逆に丸め込まれて先制された。
後がない2本目。「終わったな。2回連続で取るにはどうすればいいんだ」との思いがよぎったが、セコンドについた盟友の飯伏幸太から「終わりじゃないから集中力を保つように」とアドバイスを受けて奮起。片翼の天使でタイに持ち込んだ。
そして3本目。ここまで47分も戦い、力が入らず得意技を決めきれないなど、両者とも体力は限界。それでも、オメガは最後の力を振り絞ってオカダのレインメーカーを捕まえて片翼の天使で返し、Vトリガーから再び片翼の天使につないでトドメを刺した。
試合後は飯伏と盟友ヤングバックスの面々と歓喜の抱擁。来日して10年、「最後の目標」だったIWGPヘビー級王座を手にした。「このベルトを獲ったら日本離れるかも知れないと思っていた」とファンに明かしたが、「この試合中にプロレスの未来を見ました。だから、新日本のリーダーとして次のステップへ進みたい」と誓った。
その後、バレットクラブで内部抗争を続けているCodyが登場。無言で去ったが、挑戦を要求しているのは明らかだった。
インタビューでは「地球上で最高のプロレスラーを倒した。オカダ、君こそがこの団体をここまで大きくした」とライバルをたたえたが、「問題なのは、それが国内規模だったと言うこと。これからはオレがこの会社を引っ張っていく」と改めて宣言した。