ボクシングの大阪帝拳は２０日、元ＷＢＣ世界バンタム級王者・辰吉丈一郎（４８）の次男、寿以輝（２１）が７月２７日にエディオンアリーナ大阪で、インドネシア・フェザー級王者のノルディ・マナカネ（３４）とプロ９戦目を行うことを発表した。また、ＯＢの元ＷＢＡ世界バンタム級王者、六車卓也氏（５７）が先月、同ジムのへッドコーチに就任したことも明らかになった。

　父の先輩王者にあたる六車氏から指導を受けることに寿以輝は「世界を獲った人の言うことは間違いない」と絶対の信頼を口にした。芦屋大でアマチュアを指導した経験を持つ六車氏は、寿以輝について「パンチがあり好戦的でおもしろい選手」と太鼓判。一方で「力んでしまうので、コンビネーションで強弱をつけられるようになってほしい。ウエートシフトが使えるようになれば、軽く打っても強く打てるようになる」と課題も掲げる。父の丈一郎ともコミュニケーションを取り、指導方針は一致している。

　六車氏は「左脚を軸にしたターンはおやじ（丈一郎）と同じ」と、寿以輝が父と同じ動きをすることに気づいたという。「教えてもらったのかと聞いたら、教えてもらってないと言っていた」。小学生時代に父の指導を受けている寿以輝は「全然話を聞いてなかった」と影響をかたくなに“否定”した。

　六車氏は「ビデオで見ていたからやろうと辰吉（丈一郎）は言っていた」としながらも、驚きを隠せない様子。受け継がれたＤＮＡは「大阪帝拳の宝。（ジムの）総合力で育てたい」と英才教育を施していく。