低姿勢王者・山中自信は本物 初の8キロ減量もパンチ力ついた
「ボクシング・WBO世界ミニマム級タイトルマッチ」(13日、神戸市立中央体育館)
王者・山中竜也(真正)の2度目の防衛戦の調印式が11日、神戸市内で行われた。挑戦者のビック・サルダール(フィリピン)とともに記者会見に臨み、相手陣営の気の早い再戦の青写真に、持ち前の腰の低さで“先制パンチ”を食らわせた。
初対面から和やかなムードが続いた両陣営。だが、大一番を前に緊張感は徐々に高まってきた。記者会見でサルダール陣営のロンタル・マネジャーは「勝って(山中に)再戦のチャンスを与えたい。日本に戻ってきたい」と明言。勝利を前提にリマッチをオファーするのは、王者への挑発とも取れる発言だ。
しかし、山中は顔色も変えず「(再戦ではなく)しっかり1回で勝ちたいと思う」と笑顔で応戦。写真撮影で恒例の「にらみ合い」でも吹き出してしまい、最後は深々とお辞儀をして両手で握手を求めるなど、あまりの腰の低さに挑戦者も驚くしかなかった。
ウエートはリミット(47・6キロ)まであと200グラムと順調。筋力アップの成果もあり、この1カ月で「ボクシングをやって初めて」という8キロの減量を経験したが、それだけパンチ力がついた実感はある。「しっかり練習してきた。あとは勝つだけです」という強気の言葉は本物だ。