「ボクシング・ＷＢＯアジアパシフィック・ライトフライ級王座決定戦」（１３日、神戸市立中央体育館）

　３月の世界初挑戦で判定惜敗した同級２位・小西伶弥（２４）＝真正＝が１２回１分６秒ＫＯで、５位のオーリー・シルベストレ（２４）＝フィリピン＝を倒し、再起を飾るとともに王座を獲得した。

　小西は３月に田口良一（ワタナベ）の統一王者昇格にともない空位となったＷＢＡ世界同級王座を、カルロス・カニサレス（ベネズエラ）と決定戦で争った。３回に痛烈なダウンを奪われながらも後半追い上げ、挽回したかに思われたが、０－３判定負け。プロ初黒星を喫した。しかしその果敢なファイトは評価を上げた。４カ月を経ての再起戦は地域タイトル戦となり、世界戦線再浮上へ負けられない試合となった。

　序盤から激しい打ち合いを展開したが、２回に被弾した小西が左まぶたをカット。流血ＴＫＯ負けのピンチに陥ったが、ここでも一切退かず、前進してボディーを攻め続けて流れを変えた。９回にはシルベストレがストップ後の加撃で減点１。動きの落ちた相手を、最終回に連打で１０カウントを聞かせた。

　試合内容には納得していない。「ラウンドが終わってコーナーに戻るたびに（トレーナーの）江藤さんに怒られてばかりいた」と明かす。「世界戦で負け、この試合に向けて練習してきて、この内容では情けない。注意点をしっかり把握して、いつ世界戦が決まってもいいように練習します」。勝利の喜びよりも反省点が上回る再起戦となった。