向井寛史、激闘王に壮絶TKO負け 同期村田諒太の声援も届かず
「ボクシング・10回戦」(17日、後楽園ホール)
前WBOアジア太平洋スーパーフライ級王者の向井寛史(32)=六島=が壮絶な打ち合いの末、7回2分55秒TKO負けで元世界3階級王者の八重樫東(35)=大橋=に屈した。
王座を返上し、退路を断って“激闘王”との大一番に臨んだ向井は5回に執拗なボディー攻撃で主導権を握り、6回には連打を的確に命中させ畳み掛けた。だが、勝利もよぎった6回終盤に八重樫の右カウンターを被弾し、一気に形勢が逆転した。「間が空いたところで気が抜けてしまった。ピンチはチャンスだった。向こうの方が一枚も二枚も上だった。これが今日の自分の限界だった」と潔く敗戦を受け入れた。
南京都高(現京都広学館高)時代の同期でWBA世界ミドル級王者の村田諒太(32)=帝拳=も応援に駆け付け客席から声を枯らしたが、戦友に勝利を届けることができなかった。
32歳のサウスポーは「3階級制覇したチャンピオンと拳を交えられたことは財産になる。一度ひと段落ということで休みます」と、進退について含みを持たせた。