山中竜也 23歳で現役引退 硬膜下血腫でライセンス失効「30歳までできると…」
ボクシングの前WBO世界ミニマム級王者の山中竜也(23)=真正=が31日、神戸市内の所属ジムで会見を行い、現役引退を発表した。7月の2度目の防衛戦で判定負けした直後、頭痛を訴え救急車で同市内の病院に搬送され「急性硬膜下血腫」と診断された。日本ボクシングコミッションの規定では、頭蓋内出血と診断された場合、ライセンスが自動的に失効する。
山中は「最初は自分のことじゃないような感じで受け止められなかった。30歳までできると思っていた」と寂しさをにじませた。中学時代に真正ジムへ入門し、高校に進学せずプロデビュー。昨年8月に初挑戦で世界王座を奪取し、3月には初防衛も成し遂げた。戴冠からの一年間を「人生で一番濃い一年だった」と振り返った。
今後については「まだ探している」と白紙を強調した。女手一つで育ててくれた母理恵さんに家を建てることが夢だった。「ボクシングではかなえられなかったけど、違うものを見つけてその夢を達成できれば」。母への感謝を胸に、第2の人生へ踏み出す。