斉藤裕太、日本バンタム級王座奪取!8カ月空位の異常事態に終止符

 「ボクシング・日本バンタム級タイトルマッチ」(1日、後楽園ホール)

 同級2位の斉藤裕太(30)=花形=が同級4位の菊地永太(32)=真正=を2回TKOで破って、新王者となった。斉藤の戦績は11勝(8KO)9敗3分。同王座は試合が3度も中止となる異常事態により、約8カ月も空位が続いていた。

 初回から体格で上回る菊地の長いパンチを冷静に見切り、左ジャブを突き刺しながら前に出て圧力をかけた斉藤。2回には左フックでぐらつかせると攻勢に出て、「スタミナが切れてもいい」と数十秒にわたって粘り強く連打を繰り出してレフェリーのストップを呼んだ。

 12年の新人王に輝いたが、通算9敗を喫する苦労を経てようやくつかんだ初の王座。斉藤はリング上でジムの花形進会長から「負けは忘れろ。勝ちだけ覚えて、最後はチャンピオンになれば、お前はすごいんだ」と言われたといい、「それを必死に思って、どんなきつい練習でもオレはやると思って頑張りました。結果が出て本当にうれしいです」と喜んだ。

 リングに幼い3人の子どもをリングに上げ、「こんなに負けてるボクサーでもチャンピオンになれることを証明できたので、人生で一番うれしいときかも知れないです」と笑顔。また、5月に叔父の小山内淳さんが多発性骨髄腫のため52歳で死去したことを明かし、「叔父さんとチャンピオンになると誓ったんで、それを果たせたことは本当にうれしいです。淳ちゃんにありがとうと言いたいです」と涙をこらえながら話した。

 実は昨年8月の前々戦、2月の前戦で連敗した後に引退を決意し、会長に告げていたという。「オレはここまでの人間だと心が折れた。体力があっても気力がなくなるとできない」との理由だった。だが、直後に同王座決定戦の話が舞い込み、戸惑いながらも現役続行。花形会長は「ここ2連敗しててタイトルマッチやれんだから、ついてるよな。我慢してやってりゃ、チャンスが来るんだよ」と笑顔で話した。

 次戦は年内に同級1位の鈴木悠介(三迫)と対戦することが義務づけられている。斉藤は「苦労して取ったベルトなので、すげえ狙われる立場と思うんですけど、そんな簡単には渡さねえぞと」と誓った。

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