那須川が堀口とのドリームマッチに判定勝ち!「動物、獣と戦っているみたい」
「総合格闘技・RIZIN」(30日、さいたまスーパーアリーナ)
“キックボクシング界の神童”那須川天心(20)=TARGET=とRIZINバンタム級GP覇者の堀口恭司(27)=アメリカン・トップチーム=がキックボクシング特別ルールで対戦し、那須川が判定勝ちした。
キックでも総合格闘技でも無敗の快進撃を続ける那須川が、空手出身で世界最高峰の総合格闘技団体UFCからRIZINに戦いの場を移して圧倒的な強さを見せつけている堀口とキックルールでの対戦を提案したことで実現したドリームマッチ。会場を2分する両者のファンの大声援が轟く中で戦いは始まった。
1回から両者は積極的。堀口が躍動感あふれる動きから飛び込んでパンチを繰り出せば、那須川は切れ味鋭い左のハイ、ミドルのキックをたたき込むなど緊張感漂うスピーディーな攻防で会場を沸かせた。
スリリングな戦いは2回も続く。那須川の2度のローブローで中断があったが、那須川が逆立ちするかのようなトリッキーな左ハイキックを繰り出すと、堀口も引かずに手数を繰り出し、終盤は激しく打ち合うなど一進一退の展開となった。
3回に入るとさらに攻防が激化。堀口のワンツーが突き刺さると、那須川はアクロバティックな左のスピンキックを2度繰り出すなど積極的に攻め込む。終盤は那須川の左の蹴りが何度もヒットするなど優位に立って試合終了のゴングが鳴った。
キックボクシングと総合格闘技のプライドをかけた戦いを制した那須川は「堀口選手がキックのルールで戦ってくれたことに感謝します。堀口さんにあこがれて、このカードが決まったとき、なんで堀口さんとやるんだろうと思って、普段は緊張しないんですが、緊張でいっぱいでした。勝ちになりましたけど、成長できたと思います。堀口選手のおかげです」と充実の表情。
「人間と戦っているんじゃなくて動物、獣みたいで、一歩間違えると自分がやられるような試合でした」と戦いを振り返り、18日に死去した山本KID徳郁さんに思いを馳せ、「KIDさんのことが大好きで、勝てて良かったです。ありがとうございました」と感謝した。