【記者メモ】井上尚弥、父と歩んだ「あっという間」の20年
「ボクシング・WBSS1回戦、WBA世界バンタム級タイトルマッチ」(7日、横浜アリーナ)
衝撃の“一撃殺”だ。WBA世界バンタム級王者、井上尚弥(25)=大橋=が元同級スーパー王者フアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)を1回1分10秒KOで下し、初防衛に成功。ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)同級1回戦を突破した。日本人最長の世界戦7連続KO勝利、同最多の11度目のKO勝利を、同最速勝利で達成。トリプル日本記録を打ち立てたモンスターが、名実ともに日本歴代最強に君臨した。
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尚弥が父の真吾トレーナーからボクシングの指導を受けて20年を迎えた。先月には父とジムでたたずむ、何げない写真をインスタグラムに投稿。「ふと写真を見てたら、そんな気持ちがわいてきて。5歳から始めてもう20年、まだ先は長いけど、ボクシングを始めたときのことを考えたら、いろいろ思うことありますよ、20年もやってると」としみじみ記憶を振り返った。
そして、節目の年にモンスターにふさわしい舞台に立った。「あっという間にここまで来ちゃった感じ。この先もきっと早いと思う」。規格外の戦いを見せ続ける尚弥に気持ちの緩みはない。(デイリースポーツ・ボクシング担当・洪 経人)