村田まさかの陥落 8~10点の大差…ジャブ重視のラスベガスで評価されず
「ボクシング・WBA世界ミドル級タイトルマッチ」(20日、ラスベガス)
WBA世界ミドル級タイトルマッチが20日(日本時間21日)、米国ラスベガスのパークシアターで開催され、王者・村田諒太(32)=帝拳=が0-3(110-118、109-119×2)の判定で同級3位・ロブ・ブラント(28)=米国=に敗れ、2度目の防衛に失敗した。
序盤からブラントのスピードに苦しんだ村田は中盤に圧力を強めて連打を見せる場面もあった。しかし後半、再び機動力を取り戻したブラントをとらえることができなかった。結果、村田の前進はほとんど評価されず、8~10ポイント差という大差判定で昨年10月に獲得した王座を失った。
日本では前に出た選手、強いパンチを打った選手がジャッジに支持されることもあるが、米国、なかでもラスベガスは特に軽打でもヒット数を重視する傾向にあり、ブラントのジャブがポイントを連取した。村田は強いパンチを放ったが、ガードを固める時間が長く手数は少なくなり、強打でダメージを与える場面もなかった。
試合前、現地ブックメーカーのオッズで村田1・2倍、ブラント4・5倍となったように、村田圧倒的有利と見られた試合だった。その空気の中、始まった試合で初回にブラントが右アッパーカットをクリーンヒットして先制する。村田優位という雰囲気を立ち上がりに変えてしまったことも影響した。以後、互角に進んだラウンドが村田に流れることはなく、大差判定でまさかの王座陥落となった。