【一問一答】村田諒太陥落 今後は?「じゃあ次、という気持ちにはなれない」

 「ボクシング・WBA世界ミドル級タイトルマッチ」(20日、ラスベガス)

 王者の村田諒太(32)=帝拳=は挑戦者の同級3位ロブ・ブラント(28)=米国=に0-3の判定で敗れ、2度目の防衛に失敗した。試合後の心境を以下のように語った。

  ◇  ◇

 -今の心境は。

 「右も読まれてたし、自分のボクシングの幅も狭くて、あ、負けたな、という感じです」

 -何回ぐらいから思うようにいかないと感じたのか。

 「(5回の)倒せるチャンスで倒せなかったのがすべてかなと」

 -開き直って相打ち覚悟で勝負にいった。

 「そうですね。流れもバランスも良くなかったので、今日はもう完敗ですね」

 -採点の差が大きすぎる感もあるが。

 「ボクももうちょっとくれてもいいかなと思いましたけど、116-114だろうが負けは負けなんで気にならないですね。そうつけられてもおかしくない試合内容だった」

 -予想と違ったところは?

 「速かったですね。よく動くし、もっと(動きが)落ちてくれるかなと思ったら、落ちなかった。よく練習してるんだろうなという気がしました」

 -左ボディーはよく当たっていたと思うが。

 「そうですね。ボディーは当たって効いているときもあったと思いますけど、それ以上に相手の方がインテリジェンスという面で上だったかなと。右をしっかり見きって、左右に動いて、打ち終わりをジャブ突いてという感じで、コントロールされたな、よく研究されたなという感じですかね」

 -村田選手の右の調子がいつもと違った?

 「相手あってのもので、相手が速くて、当たらなかったのが一番じゃないですか」

 -ラスベガスで自身初の世界戦。

 「やっぱり、自分のボクシングの幅の狭さを感じましたし、ベストは尽くしましたけど、自分の実力が届かなかった。ただ、多くの日本人の方が来てくれたので、すごくうれしかったですね」

 -判定の後は拍手をしていたが。

 「もう完全に負けたと思っていたんで、負けたなと」

 -プロモーターのボブ・アラム氏は日本で再戦させたいと話していた。

 「再戦を要求するような内容じゃなかったと思いますし、完敗だったので、それはボクの都合でものを言えることじゃない。そこは言及する必要はない」

 -アラム氏はブラント陣営から再戦OKの返事を受けたと話しているが。

 「今はあまり考えられないですね」

 -心の中で一番占めている感情は。

 「負けたなと。完全に負けたなと。実力不足だと、そういう気持ちですかね」

 -相手のパンチは?

 「1発で効いたというより、(ダメージが)蓄積していったので、11ラウンドとかはふらつきましたし、蓄積の面ではありましたけど、1発どれが、というのはなかった」

 -距離感は?

 「距離がどうより、右を読まれてたんで、うまく戦われたという印象ですね」

 -初回から感じた?

 「思ったより速かったというのが正直なところですね。もうちょっと遅いかなとか、スタミナ切れるのが早いかなと思ってたんですけど、自分の消耗もあったし、いくら相手が疲れててもパンチが読まれていたら効かないし、自分もワンツーからボディーしか打てない選手だし、自分のボクシングの幅のなさを痛感しました」

 -以前「笑って殴られたら怖いと思う」と話していたが、この日も最初は笑っていたが途中から表情が変わった。何があった?

 「変わりました?ボク自身は気づいていないです」

 -これから試してみたいスタイルは。

 「これだけ大きな舞台を作ってもらって、負けて、はい、じゃあ次、という気持ちにはなれないですね。それはないですね」

 -調整の過程でうまくいかなかった?

 「それはないですね。非常にいいコンディションでできてましたし、練習自体も100%やってきたんで、今までで一番いい追い込みができたと思ってますし、その過程においては何の問題もない。内面と向き合う時間がいっぱいあって、その過程が非常に大事だった。いい時間だった」

 -エンダムとの初戦での負けと意味が違う。

 「そうですね。完全に今日は負けたんで、全く違う感じですね」

 -今後はしばらく休んでから考える?

 「そうですね、はい。そんなすぐに答えが出ることじゃないと思いますし…」

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