王座陥落の村田「こういうダメージは人生で初めて」今後は「周りの方と話をして」
20日(日本時間21日)に米国ラスベガスで行われたWBA世界ミドル級タイトルマッチで挑戦者ロブ・ブラント(28)=米国=に敗れて2度目の防衛に失敗した村田諒太(32)=帝拳=が21日(同22日)、現地で一夜明け会見を開き、今後について「納得いく形で、周りの方々と話をして決めていきたい」と話すにとどめた。
被弾の多さを物語るようにサングラスを着用して現れた村田。試合後の夜は陣営のメンバーとともに過ごして30分ほどしか寝ていないとのことで、一夜明けた心境を「何かを感じているわけじゃないですけど、まあ、負けたなと言う率直な気持ち」と話した。
「ここまでタフな試合はなかったと改めて思います。こういうダメージを体に感じるのはボクシング人生で初めて。相当なパンチをもらったというのはあります。こういう試合を続けたら壊れるなという気持ち」と厳しい戦いを痛感。「自分のボクシングが、足を使って、ああやってうまく動かれるのに対して非常に弱い。その動きに付いていく動きがないということは感じました。完全に攻略法みたいな感じで読まれていた。そういった意味では昨日は負けたなという気持ちが強くなりましたね」と改めて完敗を認めた。
今後についての結論を出す時期については、「それはあまりイメージしていないですね。するだけムダというか、イメージしたらその通りにいくことはないと思うので。納得いく形で、今後は周りの方々と話をして決めていきたい」と具体的なことは語らなかった。
前日の試合後には、村田と契約する米国の大手プロモーター、トップランク社のボブ・アラムCEOが来年の3月か4月に再戦させることを希望した。これについて、帝拳ジムの本田明彦会長は「アラムの問題より本人の問題。アラムがやりたいと言っても、本人がやらないと言ったらやらないし、条件次第ではウチもやらない」との考えを示した。
さらに、「本当に負けるべくして負けたから原因はたくさんある。それを本人がどう考えるか。ウチも含めての全員の油断だから。調子崩してそのまま終わっちゃったし、本人が調子は完璧ですって言ってたけど、とんでもない話。いいときと悪いときの差が大きい選手だから、いいときだったら誰とでもいい勝負になるけど、悪いときは世界では誰とやっても勝てない。今回はそれが出た」と、村田が不調だったと指摘。「村田の場合、背負うものが大きすぎるから、ただやればいいってもんじゃない。日本で再戦すれば商売にはなるだろうけど、今回の敗因をどう考えてるかが一番。そこはゆっくり話し合って」と話した。