亀田和毅、根性と科学の融合で2階級制覇や!最新筋トレ導入でパワーアップ
「ボクシング・WBC世界スーパーバンタム級暫定王座決定戦」(12日、後楽園ホール)
同級1位のアビゲイル・メディナ(30)=スペイン=と対戦する同級2位の亀田和毅(27)=協栄=が1日、都内でフィジカルトレーニングを公開。この試合に向けて、プロ野球・日本ハム、国立スポーツ科学センターなどで指導した経験のあるフィジカルトレーナーの多田久剛氏(50)に師事してパワーアップを実感し、世界2階級制覇に自信を示した。
多田氏は、和毅の兄で元世界3階級制覇王者の興毅氏が5月に1試合限定の復帰戦を行った際にも指導。興毅は「和毅にもっとパワーもつけてもらいたい。前からの課題でもあるから」との考えから、「オレがモルモットになった。筋肉をつけるのはボクシング業界は敬遠する。やみくもに、お前これやっとけと言うたってアカン。それが、こんなんなるんやという発見、気づきがあった。いろんな勉強がありましたよ。昔の親父の根性論から最先端のものまで取り入れて」と、まず自身が体験して、これまで敬遠していた筋力トレーニングを弟に勧めた。
多田氏は「(和毅は)元々スピードがあるのは分かっていたので、力を加えたいということで今回の課題は全身。足から、下半身から拳に伝えられるかどうかでパワーが変わってくるので、体幹を通して拳に伝える。今回は足から腕、足を上手に使う練習をたくさんやりました」とトレーニングを説明。スクワットとベンチプレスで20キロも挙げる重量が増し、「確実に良くなっている。ボクサーでここまで挙げることはないと思うぐらい」と和毅の成長に舌を巻いた。
それは和毅自身も実感。「重りを持ってやったのは今回が初めて。やっていくうちに体が変わっていって、スパーリングをやっても、パワーがついてきたのは感じてきた」と話した。
相手のメディナ対策も怠りはない。「向こうの選手は上半身が強い。この選手も上半身が強い。一発で倒す破壊力はある。そこを集中しながらやっていけば問題ない。作戦通りにできてて、今回は手応えがある」と自信を深めている。KOが期待されるが「ボクシングはKOだけじゃないんで、自分のスタイルで、それに作戦通りにして、最終的にKOできれば」と、冷静に結果をつかみ取る考えだ。