井上尚弥、絶対的優勝候補の評価揺るがず WBSSバンタム級ベスト4決定
「ボクシング・WBSS1回戦、WBAスーパー世界バンタム級タイトルマッチ」(3日、グラスゴー)
WBA世界バンタム級王者・井上尚弥(25)=大橋=が優勝候補筆頭として注目される高額賞金トーナメント「ワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ(WBSS)」バンタム級1回戦最後のカードとなるWBAスーパー世界同級王座戦が3日(日本時間4日)、英国・グラスゴーのSSEハイドロで行われ、元世界5階級王者ノニト・ドネア(35)が同級スーパー王者ライアン・バーネット(26)=英国=の負傷棄権により、4回終了TKO勝ちで準決勝に進出した。
1回戦全4試合が終了し、準決勝進出の4選手が決定した。準決勝の組み合わせは次の通り。
【1】ノニト・ドネア(フィリピン)WBAスーパー王者、44戦39勝(25KO)5敗
ゾラニ・テテ(南アフリカ)WBO王者、31戦28勝(21KO)3敗
【2】井上尚弥(日本)WBA王者、17戦全勝(15KO)
エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)IBF王者、19戦全勝(12KO)
1回戦ではタイトルホルダーであるシード4選手のうち、バーネットを除く3選手が王座を防衛して勝利。中でもフアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)に70秒KOで圧勝した井上の強さが際立っている。
階級のトップクラス8人によるWBSS。実力者同士の対決になるため、決戦前の盛り上がりに反し、試合は技術戦に終始して判定決着というものも少なくない。その中で衝撃的な失神KO劇を見せた井上が世界に与えた衝撃は大きい。
対抗格と見られていたロドリゲスは左拳の負傷があったにせよ、ジェイソン・モロニー(オーストラリア)のボディー攻撃に失速しての薄氷判定勝ち。初回11秒KOの世界戦最短KO記録を持つテテもミシャ・アロイアン(ロシア)に危険を冒さず判定勝ちに終わった。ドネアも7年ぶり復帰のバンタム級で十分戦えることは示したが、バーネットのスピードに苦戦する場面もあり、全盛期ほどの怖さはない。
当初から優勝候補筆頭に挙げられていた井上の評価は、1回戦を終えてさらに確かなものとなったといえる。まずは来春、海外開催が濃厚なロドリゲスとの無敗対決。ここでさらなる衝撃を巻き起こしたい。